日本シリーズ歴史的惨敗 巨人が弱すぎたこれだけの理由
技術の差も顕著だった。ソフトバンクの打者は菅野や戸郷といった巨人の速球派に対して豪快にフルスイングし、引っ張ってファウルを打っていた。ところが巨人の打者は振り遅れて反対や後ろ方向へのファウルが圧倒的に多かった。150キロ超がそろうソフトバンクの強力投手陣は把握済みのはずだが、工夫もなく凡打、打ち損じを繰り返したのは、技術不足という他ない。
元巨人の中畑清氏はYouTubeでこう語っている。「巨人は150キロまでは対応できるが、160キロにはついていけない。ソフトバンクは160キロにも対応できるスイングをしていた。グラシアルが積極的に次の塁を狙ったように、スキのない野球が、外国人にも浸透している。勝っていても、相手には絶対流れを渡さないんだという執念をソフトバンクに感じた」。
「スキのなさ」でいえば、ソフトバンクが5-1で勝利した第1戦の試合後、選手による反省会でのこと。最終回、ウィーラーに許した左犠飛で1点を失ったことについて、中継プレーに入ったシリーズ初出場の遊撃・川瀬に対して「アウトにできたかもしれないのに、なぜホームに投げなかった」「そもそも走者を見ていたのか」などと集中砲火が浴びせられた。
1点を返されても、まだ4点リード。試合の行方にはあまり影響がないように見える1点にも妥協しない姿勢は、シリーズ経験者が多いソフトバンクならでは。わずかな気の緩みで、たったワンプレーで流れが変わってしまうシリーズの怖さを知るメンバーが、常に手綱を引き締め、巨人に流れを渡すスキを最小限に抑えた。
選手層の厚みも違った。短期決戦に強い内川を使わなくても栗原、周東ら若手が躍動したソフトバンクに対し、内川と同じ38歳の中島、亀井に頼った巨人。中軸の坂本、岡本、丸が機能せず、投手陣は菅野の後に続く柱がいない。評論家の江本孟紀氏は「巨人の高給取りクリーンアップは公式戦で3割打者が1人もいない上に、爆発的に当たりが出るところも、見たことがない。中軸の物足りない部分が、大事なシリーズでも露呈した」。
他にも、巨人が不慣れなDH制の全試合導入を受け入れたこと、セ・リーグだけクライマックスシリーズ開催見送りで調整に苦労した側面もある。だがそんなルールの話など小さく思えるほど、両軍には埋めがたいほどの差がある。チームづくりの根本から見直す必要を、ソフトバンクはこれ以上ない形で教えてくれたシリーズだった。
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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