【現地発】佐々木朗希はなぜ“修正”できたのか ド軍投手コーチが明かした投球フォームの変化「身体をクロスさせすぎていた」

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 かつては、大谷翔平や山本由伸も1年目で同じような道をたどった。大谷はシーズン前のオープン戦で制球に苦しんでいた。先発で2回持たず、7失点する屈辱も味わい、開幕ロースター入りを不安視する声まで上がった。だが、持ち味でもある高い修正力で、開幕から圧倒した。山本にしても昨年、韓国で開催された開幕シリーズの2戦目に初登板。期待されながら、1回4安打5失点でKOされた。2戦目以降に修正し、徐々に本来の姿を取り戻すと、最終的には主戦投手としてポストシーズンでも活躍。ワールドシリーズ制覇に貢献した。

 期待値が高いがゆえに、周囲の見る目も厳しくなるのは、才能あふれる選手の宿命とも言えるだろう。2回途中で交代を告げられた2度目の先発後、悔しさを胸に秘めながら、佐々木は「良かったり悪かったりっていう、自分の中での波もありますし、練習で出来ても試合の強度になった時に、うまくいかなかったりとか、そういうところもある。日々新しい課題がどんどん出てくるので、そこに向き合ってやっていくしかない」と冷静に言葉を並べた。

 失敗を経て、コーチ陣や球団スタッフとコミュニケーションをとりながら、改善作業が続く。マクギネス投手コーチ補佐は「彼の考えや意見を聞き、改善するために何が本当に有効なのかを探しながら、ストライクゾーンを攻めていくことに集中している」という。

 直近のブルペン投球では、着地する左足ではなく、プレートにかける右足の位置をコーチ陣と確認しながら投球練習を行った。登板間では、フリー打撃の球拾いで外野守備につきながら、中継ぎ陣や野手担当のコーチらと話し合う姿もあった。佐々木自身が大事にする感覚を共有し、サポートしてくれる周囲と意見を交換しながら日々、改善点を探る。理想とする形には到達できていないかもしれないが、より圧倒的なパフォーマンスを見せる可能性を秘めているのは間違いない。

[文:斎藤庸裕]

【著者プロフィール】

ロサンゼルス在住のスポーツライター。慶應義塾大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。プロ野球担当記者としてロッテ、巨人、楽天の3球団を取材した。退社後、単身で渡米し、17年にサンディエゴ州立大学で「スポーツMBAプログラム」の修士課程を修了してMBA取得。フリーランスの記者として2018年からMLBの取材を行う。著書に『大谷翔平語録』(宝島社)、『 大谷翔平~偉業への軌跡~【永久保存版】 歴史を動かした真の二刀流』(あさ出版)。

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