【現地発】山本由伸はなぜ2年目で“無双”できているのか ド軍投手コーチが明かした名手の“変化”「ボールの違いに適応できている」
こうした環境面の慣れに加えて、マクギネス投手コーチ補佐は山本の適応力の高さも指摘する。
「日本のボールとの違いにも適応できている。メジャー球で投げるスプリットに関して、時間はかかったが、今は非常に感覚が良くなっている」
今春キャンプで、山本自身も1年目との違いを明確に口にしていた。
「去年はいいボールを投げられても、いい球を投げられてるような、ちょっと『?』がつくような感じ。ダメな球を投げても自分のどこが悪いのか、ボールとかマウンドとかピッチクロックとか、いろんな状況の違いがあったので。(原因を)見つけるのが難しかった。今年はしっかり明確にダメな時はここがダメだったなって、すぐに、日本の時と近く(同じように)考えられてるので、それがいいところかなと思います」
メジャー2年目で開幕投手に抜てきされ、東京ドームで開催された開幕戦では期待に応える投球で今季初勝利を飾った。サイ・ヤング賞2度のブレイク・スネルやタイラー・グラスノーら実績のある投手が故障で離脱する状況だが、抜群の安定感で4月を乗り切り、18日にはレンジャーズの剛腕ジェイコブ・デグロムとの投げ合いも制した。登板を重ねる度に増していく信頼感。投手として日本人初の偉業達成へ、着実に近づいている。
[文:斎藤庸裕]
【著者プロフィール】
ロサンゼルス在住のスポーツライター。慶應義塾大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。プロ野球担当記者としてロッテ、巨人、楽天の3球団を取材した。退社後、単身で渡米し、17年にサンディエゴ州立大学で「スポーツMBAプログラム」の修士課程を修了してMBA取得。フリーランスの記者として2018年からMLBの取材を行う。著書に『大谷翔平語録』(宝島社)、『 大谷翔平~偉業への軌跡~【永久保存版】 歴史を動かした真の二刀流』(あさ出版)。
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