「えっ?この選手が?」日本一の投手コーチ 佐藤義則氏が近年のオールスターに抱く疑問とは!?「真っ直ぐだけなんか、俺の中ではあり得ない」
そんな選ばれし選手たちの中でも、佐藤氏が特に驚いた選手がいたという。
「ビックリしたのは、ロッテの小野。このピッチャーは楽天の時から教えてきたピッチャーだった。選ばれているのも知らなくて、3人を三振にとった投げっぷりを見てびっくりしました。(当時は)球はいいけどコントロールが無かったので、一軍に定着出来なかったからね」
球宴初出場となったロッテの小野郁投手は1戦目で阪神・中野、ヤクルト・塩見、阪神・近本を三者連続三振に抑えると、2戦目も1回を投げ、三者凡退の完璧な投球を見せ、勝利投手になるなど、球場をわかせた。楽天では成績を残せなかったが、移籍したロッテでセットアッパーとして存在感を示している。
「あとは、ソフトバンクの牧原ね。この選手は守備固めとかオールマイティーに活躍できる選手だったけど、控えの方が多かった選手。今はファン投票、前半の成績からの監督の推薦といろんな選ばれ方があることもあって、ビックリした選手がいました」
と、佐藤氏自身がコーチ時代に教えていた選手たちの成長に笑みをこぼす場面も見られた。
さらに第2戦では、パ・リーグは先発したロッテ・佐々木朗から11人の投手が継投し、9回を投げ切った。このイニングごとの投手変更をすることで、多くのスター選手を観ることができ、華やかに感じられる反面、1971年のオールスターで江夏豊が9連続三振をとるという伝説のワンシーンのような場面も見られなくなると佐藤氏は語る。
「これだけ先発の実績ある投手が1イニングずつ投げたら、やっぱり打てないのは目に見えて打てないのは分かるし、それが今の野球なのかなと。昔は先発は3イニング。佐々木の場合は、マメもできて、久しぶりの先発だったのでしょうがないと思うけど、僕らの時代とは違うのかな」
「今はスピードにこだわった野球が多いけど、そうじゃなくて、この良いバッターをどうやって三振に取ってやろうかっていう野球を見せてほしいね。佐々木朗希もインタビューで変化球投げたかったって言ってたけど、やっぱ打たれたら佐々木朗希の良さが出ないよね。なんで完全試合できたかって言ったら、140キロ以上のフォークなんだよね。そういうものにセリーグの打者が当たるかどうかを見たかった」
「オールスターだから真っ直ぐだけなんか、俺の中ではあり得ないし、良いバッターを三振に取るっていうのが醍醐味。初めて出た選手は真っ直ぐだけで勝負するのも結構だけど、三振取るところを見せて欲しかったなというのが残念なところだったかな」
大谷翔平や佐々木朗希をはじめとする選手たちの剛速球には、有無を言わせぬ魅力がある。しかし、野球には打者との真剣勝負という最大の魅力も存在する。そこにこだわった対決も見たいという思いを持っているのはきっと佐藤氏だけではないはずだ。
様々な試みで時代と共に変化を遂げるオールスターゲーム。そんな中でも変わらず野球の楽しさを届けてほしいと佐藤氏は願っている。
動画内では他にも、球宴で阪神の選手に期待したかった事なども語っている。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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