大谷翔平の新武器「シンカー」はなぜ打てない?日本一の投手コーチ佐藤義則が徹底分析!
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エンゼルスの大谷翔平は9月3日(日本時間4日)、本拠地でのアストロズ戦に先発登板。8回111球を投げて6安打1失点に抑えた。今季12勝目はならなかったものの、安定した投球でチームの勝利に貢献している。果たして、大谷のピッチングは、エキスパートの目にどう映ったのか。田中将大やダルビッシュ有を育て、「日本一の投手コーチ」と称された佐藤義則氏に、大谷の投球内容を分析してもらった。
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この日の大谷は、8回111球を投げて5奪三振1失点。6安打を許したものの、四球はなかったし、内容的に良かったと思う。試合序盤にあった抜けたボールも、イニングが進むに連れて消えていき、いつもと同じくストライクゾーンの中で勝負できていた。ボールが高めに浮く危ういケースもあったが、球に力があるのでフライアウトを取れていた。
印象に残ったのは、59球投げたスライダーと18球投げたシンカーだ。スライダーは変化が小さいカット系を多く使っていたように見えたし、スライダーとシンカーがあることで、だいぶ投球に幅が出ていたように感じた。
今までは外のスプリットやスライダーが多く、インコースにストレート系の速いボールを投げるケースが少なかった。しかし、シンカーを使うことで自然にインコースに投げられるようになっている。
あれだけ曲がるスライダーがあるのに、さらに逆方向に変化するシンカーもあると、バッターはインサイドもアウトサイドも対応しなければならなくなる。シンカーを多投しなくても、何球か投げれば相手バッターは見ている。その辺を利用すれば、スライダーやカット系がまた効果的に生きてくる。