筒香嘉智に漂う爆発の気配 “ハマの師”が語った日本の「適応」に苦しんだ大砲の現状「打てると思います。まだ33でしょ?」【独占】

今季からベイスターズに指導者として復帰した村田コーチ。かつて苦楽を共にした筒香に対する期待は小さくない。写真:萩原孝弘
「日本のピッチャーの球速帯もやっぱり速くなってきてる」
引っ張った打球を増やすためには、当然、対策を凝らしてくる投手の攻略が重要になる。村田コーチは「日本のピッチャーの球速帯もやっぱり速くなってきてるし、しっかりしたフォーシームを投げられますしね」とNPBの投手レベルも上がっていることを示唆しつつ、「年齢が行けば行くほど、近めの速い球、150キロ超えるような真っ直ぐを、近めに投げられると、対応しきれずに成績が下がっていくはずなんで」と自身の経験とともに語る。
「僕も31でFAになって、もともと苦手だった近めをもっと攻められた。どうやって対応するといったら、上段からの構えがちょっと低くなって、最短でバットが出るように対策練りながら頑張ってきたんで」
自らも苦心はした。それでも、かつてのハマの大砲は「右バッターは強く打てないと反対方向に長打が出ないけど、左は引っ張れないと長距離砲として成り立っていかない。追い込まれるまでは引っ張れる強さが、相手にとっては一番嫌なこと。強く打ち返すということも考えた方がいいよって話はしました」と強調。あくまでも右方向へのハードヒットが必須と力説した。
無論、筒香の高いポテンシャルがあるからこその期待である。村田コーチは、「もともとそれはできているから。タイトルも獲って、自分の立ち位置を自分で作ってきているので」とも続ける。
「それができてくれば打てると思いますよ。まだ33でしょ。『4番・レフト筒香』。期待してますからね。そのポジションで彼がやってくれることによってチームも締まるし、他の選手ももっと活きてくると思いますよ」
筒香がベイスターズに入団した2010年、チームの「四番」を張っていたのは、他でもない村田コーチである。そんな「師」と慕い続けた男からの期待に本人も決意を固める。
「プレイヤーとして1つのポジションを奪いに行くのは毎年一緒ですので、そこに向けて自分の全ての力を出し切るだけだと思ってます。なんとか村田さんの期待に応えられるようにやっていきたいと思います」
高校時代から袖を通し続けた“YOKOHAMA”のユニフォームを再び纏ったハマの大砲。師の想いを含めた街の期待を胸に、復帰2年目こそ横浜の空高く白球を飛ばし続ける。
[取材・文/萩原孝弘]
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