なぜ大野雄大は愛されるのか? 「生え抜きのドラ1」という価値以上に人々を惹きつける逆境を跳ね返す不屈の姿勢【中日】
晩年に迎えた理想的なキャリアチェンジ
そこから時の政権のバックアップとともに自信を取り戻し、19年にノーヒットノーラン達成&最優秀防御率を獲得。翌20年には5試合連続完投勝利、45イニング連続無失点などの快投を続け、5年ぶりの2桁勝利(11勝)。自身初の沢村賞にも輝いた。
21年には侍ジャパンの一員として東京五輪金メダル、22年は「延長10回2アウトまで完全試合継続」と、名実ともに球界を代表する投手に君臨した大野。ただ、23年4月に左肘の遊離軟骨除去手術を受け、この年の登板はわずか1試合のみ。ベテランと呼ばれる35歳に差し掛かり、もはやここまでか──と思われたが、ふたたび“復活の時”はやってくる。
24年は復活星を含む2勝、そして昨シーズンは5年ぶりの2桁勝利(11勝)でカムバック賞に輝くのだ。復活してからの大野は速球こそ145キロ前後に落ち着いたが、140キロ前後のカットボールとツーシームに加え、100キロ台のスラーブを効果的に使う「技巧派投手」に変身した。プロ入り当初の若さ溢れるイケイケドンドンなスタイルから、大人の投手へ。理想的なキャリアチェンジに成功した。
もちろん、紆余曲折のキャリアだけでなく、オフに見せるひょうきんな一面もファン層拡大に繋がっているとは思う。チームメイトの証言からも、率先して宴会を盛り上げる姿を度々耳にする。「口から生まれたサウスポー」とはよく言ったものだ。
今月11日の阪神戦(バンテリンドームナゴヤ)は4回4失点で敗戦投手となった。次回の先発予定は18日の同カード、今度は敵地・甲子園で猛虎打線に立ち向かう。何度でも逆境に立ち、跳ね返す。そんな大野の姿をまだまだ見たい。
[文:尾張はじめ]
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