フィギュアを続ける子どもたちへ中野友加里が伝えたいこと「滑ることが楽しいという感覚を忘れずに」
大変だった「スケート」と「学業」の両立
滑ること、色々なスキルを身につけることに楽しさを覚え、本格的にスケートを始めていったという中野さん。
そこにはあるレジェンドの存在があったという。
「私が本格的にスケートをやろうと思った時に1番大きかった存在が、伊藤みどりさんです。
小学校入学と同時に本格的にスケートをやろうと決めたんですが、伊藤みどりさんを見て、伊藤みどりさんになりたいと思ったんです。フィギュアスケート界において、伊藤みどりさんの存在は大きすぎましたね。
ただ伊藤みどりさんのようにはなかなかなれるものではない。
本番や大会で見ている伊藤みどりさんも素晴らしいんですが、練習はそれ以上だったので、『あの人に追いつくのは大変』と思う反面、『あの人になんとか追いつこう、なんとかあの人のようになりたい』と思って毎日練習していたのがいい思い出ですね。」
伊藤みどりさんのようなスケーターを目指し、日々練習を積み重ねていったという中野さんだが、練習に没頭するが故に大変だったという学生時代についてこう振り返った。
「愛知の子たちは限られた環境なんですが、氷上で練習できる時間はみんな氷上で練習しているので、練習時間は計りしれないくらい、小さい頃は練習していました。
練習中、氷の状態が悪くなってくると、整氷が入るんですが、その15分〜20分の僅かな時間でみんな学校の宿題をやるなど時間を有効活用していましたね。お母さんのお弁当持参は当たり前で、練習の合間に食べながら練習をし、練習が終わったら帰ってお風呂入って寝るという生活が当たり前でした。
なので、中学高校時代は、授業中眠くてしょうがなかったです・・・。
普通の授業はなんとか頑張れるんですが、体育や水泳が始まると、その後が眠すぎて全然授業内容が頭に入っていかないし、学校の勉強に追いつくのが大変でしたね。
それでいうと勉強をする楽しみを知ったのは、大学に入ってからです。その点でいうと、フィギュアスケートに費やしたのはいいんですが、自分の子どもたちには、小学校〜高校では部活は好きなようにやって、学校生活を、私の分まで満喫して欲しいなと思います。」
滑ることが楽しいという感覚を忘れずに続けて欲しい
3歳でスケートを始め、21年間スケートを続けた中野さん。
自身のスケート人生を通して、このようなことを感じたという。
「私自身、辛い経験も沢山あったので、辛いなと思ったら、あまり根を詰めすぎない方が良いなと思います。
滑ることが楽しいという感覚を忘れずに続けて欲しいと、21年間スケートを続けてきて思いました。
次々に色んな技ができるようになるのは凄く楽しいんですが、それがある一定のところまでいくと、維持しなくてはいけない。女子選手ならダイエット、男子選手なら筋力作りなど、その維持って、凄く大変な作業なんです。
人間って維持するのが大変な生き物なので、フィギュアスケートの大変さを後々お伝えできたらなと思います。」
動画の最後にはこれからフィギュアを始める子どもたち、さらにはフィギュアを続けていく子どもたちに伝えたい思いについて、こう話している。
「フィギュアスケートって楽しいと最終的にはお伝えしたいです。スケートって、どこを目指しているかと言ったら、まずは大会に出ることだと思います。大会に出て演技をして、(観客から)拍手をもらう。そしてジャッジから採点をもらい、その採点結果が自分自身の評価になります。
それが後々どのような向上心に繋がるかだと思うので、やはり大会に出場することは凄く大きなことだと思います。
もし選手を目指してスケートを続けるとなれば、是非大会に出て、沢山の人から拍手をもらうということを経験して欲しいです。それが後々達成感に変わるんじゃないかなと思います。
スケートリンクってかなり広いんですが、その広い会場の中を独り占めできるスポーツって、あまりないんですよね。
そう言った経験が後々凄く活きてくると思うので、小さい子どもたちは大会に出て経験して、その達成感を得て、それを続ける原動力になって欲しいなと思います。」
次回の動画では、選曲から振り付けまで、フィギュアスケートの「演技の作り方」についてお届けする予定だ。
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。