「何とか頑張ってほしい」12球団トライアウト 球界OBも思わず涙した再起を願う選手の名前
11月8日、楽天生命パークで12球団合同トライアウトが行われた。今回は3年振りの有観客で49名が参加し、再起を懸けた各選手による必死のプレーに、球界関係者の視線が注がれた。
各球団で戦力外を通告された選手たちによる、限られた打席、投球数の中での選手たちのアピールは、観ているものの胸を打つ場面も少なくなかった。トライアウト会場の様子に視線を送っていた球界OBも、多くの選手に対し、熱い思いを語っている。
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現役時、大洋で主力として活躍し、ベストナイン、盗塁王も獲得した高木豊氏は自身のYouTubeチャンネル『TAKAGI YUTAKA BASEBALL CHANNEL』で今回のトライアウトに参加した有力選手について言及した。
トライアウトが行われた日の夜に配信となった「【2022年戦力外選手】12球団合同トライアウトを見て獲得に動きそうな選手について語ります!」では、そのタイトルの通り、今後、他球団との再契約が見込まれるプレーヤーの名前を紹介する内容となっている。
動画では「2001年から始まったトライアウト、再契約を結ぶ確率は5%程度」と、狭き門であることを明かしながらも、高木氏は今回、多くの選手を有望視している。
最初に名前を挙げたのは広島の菊池保則だ。今季は8試合の登板で未勝利に終わったものの、2019年から3シーズンに渡り中継ぎとして活躍した。高木氏は「まだ33歳、コントロールも安定していたし、ボールも良かった。なんでクビになったんだろう」と語った。
続いては、中日の右腕、佐藤優。2018シーズンには42試合に登板した29歳には「全然行けるね」と太鼓判。「中日は良い投手が多いから、はじかれるんだろうね。佐藤はボールに角度もあるしコントロールもいい。中継ぎで困っている日本ハムなんか面白いかな」と印象を述べている。
投手では他にも、阪神の守屋功輝、楽天からは通算32勝の福井優也、2011年のドラフト2位の釜田佳直をピックアップ。3投手とも今季は0勝に終わったものの、それぞれの特徴に触れながら「まだやれる。使えるよ」と力を込めた。
野手で最初にフォーカスしているのは巨人の勝俣翔貴。ここまで3年間のプロ生活のほとんどを2・3軍で過ごしてきた25歳の内野手には「初めて見たけど、(バットを)振る力がある。だから、この選手はなんとかなるなと直感で感じた。まだ25歳、教え方によっては全然良いよ。すごく魅力を感じた」として、ポテンシャルを絶賛。
また、広島で今季85試合出場にとどまったものの、2017年には規定打席にも達するなど実績を残してきている33歳の安部友裕にも「もう絶対使える。間違いなく使える。ベンチに置いていても、代打でも代走でも使える。内外野守れるだろうし、重宝すると思う」と、ユーティリティープレーヤーであることを強調している。