新天地で存在感を増す仕事人 三河の須田侑太郎が「一家に一台ほしい選手」を目指すワケ
須田は「1年目というのはすごく難しい」といいながらも堅実なプレーでチームに貢献している©SeaHorses MIKAWA co.,LTD.
2024-25シーズン、B1制覇を狙うシーホース三河にベテランの須田侑太郎が加入した。これまで数々の強豪チームに所属してきた須田は日本代表も経験しシューターとして開花し、33歳にしてより重要なピースとして新天地に迎えられている。
一方で、新たなチームへフィットすることは容易ではなく、それは須田にとっても例外ではないようだ。
今回は須田にインタビューを行い、ここまで好成績を収めさらに上を目指す三河や自身のプレーぶり、またサウナなどの趣味について、幅広く語ってもらった(インタビューは1月27日に実施)。
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ーーオールスターが終わり、シーズンは後半戦に入っています。30戦時点での戦績は21勝9敗で去年とほぼ同じ。須田選手は今シーズンからの三河加入ですが、前半戦を振り返りつつ、ここからはどのようなところを意識しながら戦っていくのかを教えて下さい。
前半戦、ここまではポジション的にはいい位置にいるかなというのは僕もそうだし、チームとも話をしていて、試合をするごとに成長できている手応えを感じながら、また都度、反省点を出しながら、そこに対してしっかりと取り組めています。バック・トゥ・バック(2日連続の試合)の初戦で負けても2試合目にバウンスバックをしたりなど、粘り強さも出てきているのも感じていますので、出来は「グレート」ではないにしても、この成績を収められているというのはすごいことですし、勝ち切れている試合も多いですし、下位のチームに対してしっかり勝ちきれているところはいいことなのかなと思っています。
その中で、もっとよくできる部分はオフェンス面、ディフェンス面でありますし、ここからそういうところを成長させて、高めていきながらシーズン後半戦では(プレーオフの順位を争う)直接対決も始まっていますし、より緊張感のある試合が続きます。そこでギアを1個、上げるところは重要になってくるのかなと思います。シーズンを通してディフェンスというアイデンティティを持っていますが、それを高めながら最後の4月、5月にしっかりとピークを持っていけるように、チームでコミュニケーションを取りながら取り組んでいきたいです。
ーー須田選手にとっての新天地・三河へのフィット具合はいかがでしょうか?
フィットしきれているかといえばそうではないと思っていますし、僕も何度も移籍を経験してきた中で1年目というのはすごく難しいです。(名古屋ダイヤモンドドルフィンズに在籍していた)去年は優勝こそできなかったですけど、1つの形というか、結果が残せた状況で、自分自身もキャリアハイのスタッツ(平均10.1得点)でしたが、期待をされている中で迎える新天地でのシーズンというのは、楽しさもありますし難しさもあって、現状は自分の良さをこのチームでどう発揮していったらいいんだろうと模索している段階なんですね、実際は。
なので、今までみたいにできているかって言ったらそうでもないし、もちろんチームは変わっているしシステムも変わっている。その中で自分がどうアジャストしていくかというところは常日頃、考えながらやっているところです。そういう意味でも「グレート」ではない中で、自分に伸びしろも感じるし、自分の持っているものをしっかりと発揮できる土台ができた時にもっともっと良くなるよねっていうような思いを持っています。
(三河は)去年からのベースがあるチームなのである意味、安定している部分プラス、新加入は僕だけっていうところで、よりチームに貢献できる場所を探しているところです。それが4月、5月に「収穫」されて良くなっていったらいいなっていうところですかね。僕に限らず、選手それぞれの良さがどんどん出るように、コミュニケーションを取りながらやっていかないといけないなという思いはあります。
ーー出場時間や平均得点、3Pの試投数など、須田選手のスタッツは昨シーズンから下がっています。それは三河のロスターが充実していて、より多くの選手に出場時間の与えられる「タイムシェア」をしているところが理由かと思います。須田選手としてはこうしたスタッツや起用法に関してはどのように感じていますか?
層が厚いのは本当にすばらしいことです。僕もいろんなチームを経験してきた中で、やっぱり強いチームというのはセカンドユニットが安定しているというのは、自分の肌感覚としてはあります。先ほども言いましたが移籍1年目って難しくて、完成されている、ベースのあるチームに自分だけ入るという、過去にアルバルク東京に入った時にも感じたようなことは、時間が解決する部分もありますし、その時間をいかに早めていけるかっていう問題だと感じています。ただ、個人的には自分の良さが100%発揮できていますかって言ったらそうではないので、そこは常に自問自答しながら、時にはコーチらとコミュニケーションを取りながらやることでもっと、もっと……スタッツがすべてじゃないですけど、スタッツにも表れてくるのかなと思います。
ただ、(相手からの)警戒のされ方が今までとは違うといいますか、ディフェンスのつかれ方などは違います。例えば相手ディフェンダーのマークを剥がす時に、今までのチームのプレースピードやシステムとは違うので、そこは自分がアジャストして早く「最適解」を見つけないといけないなっていうのもありますし、そのあたりはコーチとコミュニケーションを取りながらやっているので、先の未来を見据えてといいますか、日々成長しながら「三河の須田」っていう選手像をしっかりと、なるべく早く確立していきたいなという思いです。






