【Bリーグ】シーホース三河を「変革する」リッチマン新HCとは何者か NBA経験を持つ「34歳」が日本にもたらすものとは

タグ: , , , 2023/10/25

三河を率いるリッチマンHCは午前練習を導入した©SeaHorses MIKAWA co.,LTD.

 2022-23のレギュラーシーズン終了直後の5月7日、シーホース三河で28年もの長きにわたって指揮を執ってきた鈴木貴美一ヘッドコーチが退任を表明。そこから約1か月後にライアン・リッチマン氏を新指揮官として招聘することが発表された。

 リッチマン氏は昨季までNBAワシントン・ウィザーズのアシスタントコーチを務め、八村塁(ロサンゼルス・レイカーズ)とも共闘していた時期もあったが、日本では34歳の若い彼がどのような人物、コーチかはまだ十全に知られていない。

 今回はリッチマン氏へのインタビューを行い、彼の指導法、考え方、Bリーグの印象などについて迫った――。

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ーー長く三河で指揮を執った鈴木HCの後任に、NBA経験のある若いあなたが就任しました。どのような経緯でこのポストに就くことになったのでしょうか?

リッチマン 最初にチームから私のほうにこの話が来たときは青天の霹靂で、驚きました。私はGリーグでヘッドコーチの経験(2019-2020から2シーズン、キャピタルシティ・ゴーゴーに在籍)があり、再びHCとなることは目標ではありましたが、まだウィザーズとの契約も残っていたので、NBAを離れるべきかどうかは逡巡しましたね。

 ただし私の妻がとても冒険家というか、日本に住むことや、2人の娘たちを日本で育てることに非常に関心を持っていたのもありましたし、挑戦してみようとなりました。

 話が来てからは三河のことを調べましたし、前任の鈴木HCはとてもすばらしいコーチで、彼が三河のためにしたすべての仕事に対して大きな尊敬の念を抱いています。そして、三河のファンのサポートは本当にすばらしく、我々のチームの持つリソースも同様で、一級品です。こうしたことのすべてが私の想像を超えていて、チームは選手や我々スタッフをとても大切にしてくれていますし、すべてがプロフェッショナルだと感じています。

ーーリッチマンHCの就任以来、チームの体制や環境もかなり変わったと聞きます。そうした変化はHCの指示でなされているのでしょうか?

リッチマン どちらかと言えば、私とチームの「パートナーシップ」によって、と言ったほうがいいかもしれません。我々の間で議論をして、私もこれまでの経験を用いつつ、いろいろと提案を出すといったところです。ですが、私がNBAで働いてきたからといって、それがこちらでも同じようにうまくいくとは限りません。こちらでうまくいっていることがNBAでも機能するかわからないというのも同様です。

 クラブは私がすることに対して寛容でいてくれています。例えば今シーズン、我々は午前中の練習後、選手やスタッフたちに食事を摂ってもらうようにしました。彼らは激務をこなしていますからとても大事なことですし、彼らにはチームから大切にされている、チームの一員だと感じてもらえると思っています。そういったことこそが、我々が求めることです。

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