羽生結弦、プロ転向でさらに際立つ存在感 スポーツメディアの「救世主」である理由
スポーツ紙の記者はこう証言します。
「羽生に関しては各社、特集や連載、特別ポスター紙面、写真集などの企画を競っています。ニュース速報は全てネットで消費されてしまう昨今において、羽生ファンは『紙でしっかりと残す』ということに重きを置いている。こんなにありがたい存在はないわけです」
各紙の競争が熾烈になる背景を、前述の記者はこう分析します。
「羽生ファンはとにかくリテラシーが高い。記事の一字一句を読み込んでいるし、写真のクオリティーやレイアウトについても、送り手側のアスリートに対する敬意や愛情をしっかりと見てくれている。各社の取材力や熱量が比較されるので、絶対に気が抜けないんです。『他社に負けない紙面にしよう』と、羽生の紙面は自ずと社内の士気も上がっています。情報の送り手と受け手が緊張感を持って対峙している、理想的な関係が築けていると言っても良いでしょう」
さらに前述のネットニュース関係者は、現状をこう紐解くのです。
「『情報はただでネットから』が常識となる活字離れの世の中で、羽生の存在はややもすると元気がなかったスポーツ紙業界を活性化させています。今後も強い読者ニーズがある以上、担当の記者とカメラマンには各社エース級を配置し、力を入れることになるでしょう。そして彼らの背中を見て、若い記者やカメラマンが『私も読者に支持されるメディア人になりたい』と牙を研いでいく。羽生はスポーツメディア人を育てていると言っても過言ではありません」
オンリーワンの輝きを放つ男の「これから」には今後も注目が集まっていきます。
狂騒曲は、まだまだ止みそうにありません。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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