植物油はどう使い分ける?期待される効果や特徴、使い分け方について
各植物油の脂肪酸の比較
植物油に主に含まれるのは、オレイン酸、リノール酸、α-リノレン酸などの不飽和脂肪酸です。脂肪酸の種類により、特徴や期待される効果が異なります。脂肪酸の特徴、含有量の比較をみてみましょう。
オレイン酸
オレイン酸は一価不飽和脂肪酸で、オリーブ油にとくに多く含まる脂肪酸です。オレイン酸は、善玉コレステロールは減らさず、悪玉コレステロール値を下げる働きがあるといわれています。
リノール酸に比べると酸化しにくく、取り入れやすい点もメリットです。
リノール酸
リノール酸はオメガ6系脂肪酸(多価不飽和脂肪酸)です。体内で合成されないため、食べ物から摂る必要があります。
悪玉コレステロール値が上昇する原因である飽和脂肪酸の代わりに、オメガ6系脂肪酸を摂取すると、悪玉コレステロール値が低下することがわかっています。
ただし、リノール酸はオレイン酸に比べると酸化しやすいため、過剰摂取により健康への影響が懸念されています。とりすぎるとエネルギーも過剰になりやすいため、適量とることが大切です。
α-リノレン酸
α-リノレン酸は、オメガ6系脂肪酸(多価不飽和脂肪酸)です。α-リノレン酸は一部体内でDHAやEPA(青魚に主に含まれる脂肪酸)に変換される性質があります。
α-リノレン酸は善玉コレステロールを若干増やし、中性脂肪値を低下させる作用があるほか、心疾患のリスクを下げる作用があることもわかっています。
グラフからわかるように、α-リノレン酸は一般的に使われることの多い植物油にはさほど含まれず、アマニ油やえごま油といった一部の油にとくに多く含まれています。
将来、魚資源の不足などの恐れからα-リノレン酸の摂取が重要視されており、アマニ油やえごま油などの油に注目が集まっています。
油を取り入れる際の注意点
「カラダによい」からといって、油を必要以上にとってしまうと脂質の摂りすぎになってしまいます。油は種類によるカロリーの違いはほとんどなく、大さじ1杯(12g)あたり106~108kcalほどです。
たとえば「なんにでもかけて食べる」という取り入れ方をすると、脂質を摂りすぎてしまい、カロリーオーバーしてしまいます。プラスしてとるのではなく、あくまで今使っている油を置き換える形で取り入れるとよいでしょう。
どれもスーパーで手軽に手に入るので、一度見比べてみるのもよいですね。毎日の料理に欠かせない油の特徴や使い分け方を知って、自分に合ったものを取り入れてみましょう。
【参考・参照】
文部科学省 日本食品標準成分表2020年版(八訂)
厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020年版)
農林水産省 植物の恵みで元気に! 植物油<https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/1111/spe2_01.html>(最終閲覧日:2021/12/16)
「あすけんダイエット – 栄養士が無料であなたのダイエットをサポート(www.asken.jp)」
[文:あすけん 管理栄養士]
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
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