熱中症は「準備」で防げる
■ 熱中症が疑われたら
周囲の人が以下のような症状を訴えたら、すぐに対応が必要です。
・めまい、ふらつき、反応の鈍さ
・異常な発汗、あるいは汗が止まっている
・意識がぼんやりする、ろれつが回らない
・吐き気や嘔吐
▶ 対応の手順(FAST)
1.F:Fluid(水分)
→ 冷たいスポーツドリンクや経口補水液を飲ませます(自力で飲める場合のみ)
2.A:Air(風通し)
→ 涼しい場所に移動し、服を緩めて風を当てます
3.S:Skin(冷却)
→ 首・脇の下・太ももの付け根を冷やします(保冷剤や水で濡らしたタオルなど)
4.T:Transport(搬送)
→ 意識障害や嘔吐がある場合はすぐに救急要請を!
■ 熱中症は“個人差”も大きい
同じ運動量でも、熱中症にかかりやすい人とかかりにくい人がいます。
要注意のタイプ
・小児や高齢者
・前日に寝不足・食事不足だった人
・風邪気味や体調不良の人
・汗をかきにくい(暑熱順化が不十分)人
運動前に少しでも「おかしいな」と感じたら、“勇気ある休養”を選びましょう。
■ 最後に
熱中症は、「誰でも」「突然」「命に関わる」リスクがある一方で、事前の準備と知識でほとんどが予防可能なトラブルです。
あなたの体は、あなたのパフォーマンスを支える唯一無二の存在です。
無理せず、焦らず、正しい知識と判断で、夏のスポーツを思いきり楽しみましょう。
[文:池尻大橋せらクリニック院長 世良 泰]
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
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池尻大橋せらクリニック院長・世良 泰(せら やすし)
慶應義塾大学医学部卒。初期研修後、市中病院にて内科、整形外科の診療や地域の運動療法指導などを行う。スポーツ医学の臨床、教育、研究を行いながら、プロスポーツや高校大学、社会人スポーツチームのチームドクターおよび競技団体の医事委員として活動。運動やスポーツ医学を通じて、老若男女多くの人々が健康で豊かな生活が送れるように、診療だけでなくスポーツ医学に関するコンサルティングや施設の医療体制整備など幅広く活動している。






