ダイエットにくじけそうな方必見! 「つい食べ過ぎた」を解消するダイエットの心理学
「食べちゃダメ!」と思えば思うほど、食べたくなる!?
小高先生によると、物体に圧力をかけると反発するように、心も圧力をかけると反発するのだそう。これを心理的リアクタンスといいます。「例えば『食べちゃダメ!』という強い圧力をかけると、かえって普段以上に食べたくなってしまうことがあります。この『ダメと言われるとやりたくなる』のが心理的リアクタンスです。この心理的リアクタンスの結果、『実際に普段以上に食べてしまう』などの行動を起こす現象を、カリギュラ効果といいます」(小高先生)
心理的リアクタンスによって起こるカリギュラ効果は、発生しやすいタイミングがあるといいます。「人それぞれですが、季節の変わり目で自律神経が乱れやすい時期や、仕事の繁忙期、また女性ならば生理前もひとつのタイミングです。また1日の中でも、タイミングが訪れやすい時間帯があります」(小高先生)
こうした心のメカニズムを理解し、自分のタイミングを知っておけば、頑張れる時期とそうでない時期が明確になり、自分のペースでダイエットに取り組んでいけそうです。
ダイエットを成功に導く!小高流極意10
では、ダイエット中に食べたくなるメカニズムがわかった上で、ダイエットを成功に導くには、何をどう心がけるといいのでしょうか? 心理学の見地から、小高先生がおすすめする極意を10個ご紹介します。
■極意1
目標を掲げて、自分のためにダイエットをする
「他人に言われたから」「有名人が○○だから」ではなく、自分のためにダイエットをすること。そして、「この洋服を着て△△へ行く」など、楽しいイメージが抱ける明確な目標を持ちましょう。そうでないと途中で、誰のために、何のためにダイエットをしているのかがわからなくなり、挫折することに……。
■極意2
サブゴールをたくさん設定する
高いゴールを設定するのはいいことですが、高過ぎるとハードルが上がり、なかなか達成できません。そこでおすすめなのが、高いゴールの前に、たくさんのサブゴール(小さなゴール)を設定するやり方です。
「100段の階段の頂上が高いゴールだとしたら、そのうちの1段1段がサブゴールです。一気に100段は上がれなくても、1段ずつなら簡単に上がれるはず。その小さな達成体験を積み重ねると、人は『○○できる!』という自己効力感=自信を持つことができ、『気がつくと高いゴールに到達していた』となりやすいのです。まずは1日の小さな努力を、2週間続けてみることから始めてみましょう」(小高先生)
■極意3
All or Nothingをやめる
ダイエットをする人は、やるときは徹底してやるというタイプの人が多いのですが、いくらダイエットのためとはいえ、大好きなスイーツをいきなりゼロにしてしまうと、脳内にストレスホルモン、コルチゾールが大量に分泌されて、かえって瘦せにくい体に……。
「だから、もしこれまでチョコレートを1日1枚食べていたとしたなら、半分、3分の1、最後は1日1粒というように徐々に減らしていくのが賢いやり方です。そのほうがストレスを溜めずに、楽しくダイエットを続けられます。一度開けてしまったが最後、なくなるまで全部食べてしまうというタイプの人は、個包装のスイーツなどを選ぶようにするのがオススメです」(小高先生)
■極意4
別腹はある! デザートは楽しくいただこう
食事の最後に出てきたデザートを見て「おいしそう!」と思うと、結果的に脳内にオレキシンというホルモンが分泌され、消化器官が活発に。するとそれまでに食べたものが小腸に流れ、胃が空きます。おなかいっぱい食べたはずなのに、「デザートは別腹」とばかりに食べられるのは、オレキシンの分泌によって胃にスペースができるためです。
ここで大切なのは、せっかくデザートを食べるのならば、罪悪感を持たないこと。罪悪感を持つとストレスが溜まって血液循環が悪くなり、燃焼されるものも燃焼されなくなります。逆に「楽しい」と思って食べれば、血液の循環がよくなり、代謝もアップ。同じものを食べても、蓄積しにくくなります。
■極意5
自分を追い詰めない
人間は誰だって、強さと弱さを併せ持っているし、頑張れる時期と頑張れない時期があります。だから、むやみに自分を追い詰めないこと。生理前など、いまいち調子が上がらないときは、「今はちょっとダイエットに不向きな時期だな」と俯瞰して自らを観察し、自分のペースで取り組みやすいダイエット法を探ってみるといいでしょう。