【医師に相談】慢性副鼻腔炎という症状を知っていますか?

タグ: , 2025/4/4

[文:オクノクリニック | モヤモヤ血管による慢性痛治療(https://okuno-y-clinic.com)]

Q:副鼻腔炎とは何ですか?

副鼻腔炎とは、副鼻腔という鼻の周りにある空洞に炎症が起きて、鼻づまりや鼻閉感、鼻汁、頭痛や集中力低下などの症状をきたす病気です。

鼻の奥には鼻腔とよばれる空間があり、鼻の穴から吸い込んだ空気が最初に通るスペースとなっています。鼻腔の周辺にはさらに複数の空洞があり、「副鼻腔」とよばれています。
この副鼻腔には上顎洞(じょうがくどう)、前頭洞(ぜんとうどう)、篩骨洞(しこつどう)、そして蝶形骨洞(ちょうけいこつどう)の4つで構成され、上顎洞は頬の裏、前頭洞はおでこの裏、残り二つは目頭の奥に位置しています。これらの空洞は、鼻腔と小さい穴によってつながり、互いに交通しています。

副鼻腔の表面は粘膜で覆われており、副鼻腔炎とはこの粘膜に慢性的な炎症がおきている状態です。

この炎症はウイルスや細菌感染によって引き起こされることがあります。また花粉症などのアレルギー性鼻炎が悪化し、副鼻腔炎へと移行することもあります。

副鼻腔に炎症がおきると粘膜が腫れ、その腫れた粘膜が鼻腔と副鼻腔の間にある小さい通路を塞いでしまい、副鼻腔が閉鎖されてしまうことがあります。さらに閉鎖された空洞内に膿がたまることがあります。また粘膜が突起のように腫れてブヨブヨした塊となり、空洞の中を占拠してしまうことがあります。これをポリープや鼻茸(はなたけ)と呼んでいます。

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Q:慢性副鼻腔炎はどんな症状が生じますか?

鼻がつまる、匂いがしない、粘り気の鼻汁が出る、前に鼻汁が出るだけでなく喉の奥に流れ込み痰のように感じる(後鼻漏)、頭が重い、集中力が続かないなどの症状があります。

他にも頬っぺたの奥が痛い、両目の間とかおでこが痛くなる、長引く咳や痰、呼吸がしづらい、いびきをかくなどの症状が3か月以上続きます。

また鼻腔と副鼻腔だけでなく、中耳もつながっているため中耳炎をおこすこともあります。

Q:慢性副鼻腔炎はどうやって診断しますか?

鼻づまり、鼻水(前鼻漏または後鼻漏)、嗅覚の低下、顔面の痛みまたは圧迫感などの症状が2つ以上、3か月以上続いている場合に慢性副鼻腔炎の可能性を考えます。

慢性副鼻腔炎を疑った場合には、内視鏡検査を行います。鼻腔粘膜の腫れや鼻茸、鼻汁の性質を確認し確定診断となります。
また、CT検査では副鼻腔の炎症や膿がたまっているかを詳しく確認でき、骨の構造異常(鼻中隔湾曲症など)も評価できるため診断に有用です。
また必要に応じて細菌検査、嗅覚検査、血液検査を行います。

Q:慢性副鼻腔炎の原因はなんですか?

慢性副鼻腔炎の原因には以下のようなものがあります。

・感染症
急性の副鼻腔炎が治癒せずに慢性化することがあります。細菌やウイルスが関与する場合が多いです。まれにカビ(真菌感染症)によるものもあります。

・アレルギー性炎症(好酸球性副鼻腔炎)
好酸球という免疫細胞によるアレルギー反応によるものです。気管支喘息、アスピリン不耐症、NSAIDsアレルギーに合併します。

・鼻の形態異常
鼻の仕切り(鼻中隔)が曲がっている(鼻中隔弯曲症)と、副鼻腔への通気が悪くなり、慢性炎症を引き起こすことがあります。

・環境要因
喫煙や大気汚染などの環境的な要因も、鼻や副鼻腔の炎症を引き起こし、慢性化する原因となります。

・免疫系の問題
免疫系の異常や慢性的な免疫力の低下が、副鼻腔炎を引き起こすことがあります。

Q:慢性副鼻腔炎かセルフチェックする方法はありますか?

以下の項目に3つ以上当てはまる場合は、慢性副鼻腔炎の可能性があります。症状が続く場合は耳鼻科の受診をおすすめします。

基本的な症状チェック
・12週間以上(約3ヶ月以上)、鼻の症状が続いている
・鼻づまりが長引いている(両方または片方の鼻が詰まりやすい)
・黄色や緑色の粘り気のある鼻水が出る
・鼻水が喉に流れ込む(後鼻漏)のを感じる
・痰が絡むことが多い(特に朝)

顔や頭の症状チェック
・目の周り・頬・額に重だるさや痛みを感じる
・頭痛がある(特に顔の前側や目の周り)
・においを感じにくい・嗅覚が落ちた

生活への影響チェック
・口臭が気になる(鼻水や膿の影響)
・風邪が治った後も鼻の症状だけ長引く
・疲れやすい・ぼーっとしやすい

判定結果
0~2個:慢性副鼻腔炎の可能性は低め
3~5個:軽度の慢性副鼻腔炎の可能性あり → 早めの受診がおすすめ
6個以上:慢性副鼻腔炎の可能性が高い → 耳鼻科で詳しい検査を受けましょう

特に「3ヶ月以上続く鼻づまり・鼻水・後鼻漏・顔の重さや痛み」がある場合は、CTや内視鏡検査で診断がつくことが多いので、受診をおすすめします。

Q:慢性副鼻腔炎を放っておくとどうなりますか?

慢性副鼻腔炎を放っておくと、耳やのど・気管・気管支等に炎症が併発することがあります。その場合、中耳炎や気管支炎を起こすことがあります。

また非常に稀ではありますが、眼球近くの副鼻腔炎により視神経の炎症を起こし失明にいたってしまうことや、炎症が頭の中へ波及して髄膜炎や脳膿瘍へ至り手術が必要になることもあり注意が必要です。

慢性副鼻腔炎は、薬などの治療で改善できる病気なので、長引く鼻の症状があれば早めに対処することが大切です。

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