【医師に相談】痛風とはどのような病気ですか?

タグ: , 2024/9/12

Q:痛風の前兆や初期症状はありますか?

痛風の前兆や初期症状として関節の違和感やむずむずする感じを訴えることがあります。

Q:痛風は遺伝しますか?

痛風は遺伝的要因、環境的要因の両方によって起こりますが、ある研究では、遺伝的要因の影響が少なくないことが分かりました。近親者に痛風患者がいる人は、食事や生活習慣を改善することで痛風リスクを低下させることが大切です。(1)

Q:女性は痛風にならないのでしょうか?

女性は痛風になりにくいとされています。これは、女性ホルモンが尿酸の排泄を促進するためと言われています。そのため女性は閉経後に痛風の発症リスクが上昇することがあります。(2)

Q:病院ではどのような検査をしますか。また何科にいけばいいですか?

痛風の検査をするには、症状のあらわれ方や、症状のある部位を診察し、血液検査で尿酸値を測定したり、尿検査、超音波検査、レントゲン検査、CT検査などを行います。診断が困難なケースでは、注射をして関節滑液中の尿酸塩結晶を調べることもあります。

痛風では内科(一般内科、膠原病・リウマチ科)や整形外科を受診してください。





Q:痛風の発作から1カ月たちましたがまだ痛いです。腫れも引きません。痛みはいつまで続きますか?

通常、痛風の急性な発作は1~2週間で改善します。痛風の発作の痛みや炎症が1ヶ月以上続いている場合は、適切な薬物療法が行われていないか、または処方された薬を正しく使用していない可能性、関節内に沈着した尿酸結晶が慢性的な炎症を引き起こしている可能性、痛風以外の関節疾患や他の健康問題が症状を引き起こしている可能性があります。

そのため、早めに医師に相談することが重要です。

最近では、長引く痛風の痛みに対して、動注治療という5分ほどで終了する安全で身体に負担の少ない治療法が開発されました。

Q:以前痛風になりました。痛くて辛くてもう二度となりたくありません。痛風を予防するために良い食べ物や、逆に食べてはいけないものを教えてください。尿酸値を下げるにはコーヒーが良いと聞きましたが、本当ですか?

痛風の食事療法としては、適正なエネルギーの摂取、プリン体・果糖の過剰摂取の回避、腎機能に応じた適切な飲水が勧められます。

良い食べ物としてはプリン体が少ない食品、乳製品、卵、米などの穀物、豆類、豆腐、きのこ類などがあります。コーヒーを飲むと痛風を発症しにくくなるとい報告があります(3)。

食べてはいけないものとしてプリン体の高い食品、鶏レバー、干物、白子、エビ、アンコウ、ビールなどのアルコール類、果糖が多い甘未飲料、果物ジュースなどがあります。

Q:尿酸値をさげるのにどういう薬を飲んだらいいですか。

尿酸値をさげる薬には尿酸の生成を抑える薬、尿酸の排泄を促進する薬などがあります。
尿酸値を低下させることは痛風の治療や腎不全の進行予防に有用とされています。(4)
具体的な治療法は医師による診断が必要ですので医療機関の受診が必要です。

Q:痛風の発作が起きました。早く治すには何をすればいいですか?何も治療しないとどうなりますか?

痛風発作は無治療の場合、最初の3日間の疼痛の強さは変わらず7日後も大半で疼痛が持続すると報告されています。痛風発作は薬物治療が効果的であり早く治すにはできるだけ早く薬物治療を開始する事が重要です。治療薬には非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)、コルヒチン、グルココルチコイドがあります。治療薬は市販されていないものが多いため早期の病院受診が必要です。薬物以外の治療として、患部の挙上と負担を避けること、局所の冷却をすること、水分摂取などがあります。

急性の発作が改善したら尿酸降下薬を開始し痛風発作の予防を行うことが重要です。(4)予防のための治療をしないで放置すると、半年から1年で発作が再発するとされています。

Q:痛風が再発しているようです。病院に行く前に痛み止めを飲みたいのですが、市販薬は何を選べばいいですか?

痛風発作の痛み止めは非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)が主に使用されますが痛風に適応があるNSAIDsは市販されていません。そのため、市販のNSAIDsを使用する場合は、ロキソプロフェンやイブプロフェン、NSAIDsが使用できない場合はアセトアミノフェンを使用してください。

Q:痛風発作を繰り返して癖のようになっています。尿酸値を下げるよう努力していますが、それでも発作が起きてしまいます。内服薬以外で、痛風発作が起きないようにする方法はありますか?

痛風の治療をしているものの、発作を繰り返してしまう方が一部いらっしゃいます。そのような場合、痛風の炎症が起きやすい環境ができてしまっていると考えられます。

最近になって、この痛風発作が繰り返し起きることを防ぐ方法として、動注治療という簡便な治療が開発されました。

動注治療とは一般的な点滴で用いる極めて細いチューブ(サーフロー)を用いて、足首の動脈に抗生物質を直接注入する方法です。所要時間は5分ほどで身体に負担の少ない治療です。

<参照>
(1) New evidence that ‘gout’ strongly runs in the family(2013年12月2日 ノッティンガム大学)
(2) Gout and Nucleic Acid Metabolism Vol.26 No.2 (2002):119‐124
(3) ACR Open Rheumatology Vol.4 Issue6(2022):534-539
(4) 高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第3版

[文:オクノクリニック | モヤモヤ血管による慢性痛治療]

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

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