【医師に相談】ワクチン接種後の肩の痛み(SIRVA)について
[文:オクノクリニック | モヤモヤ血管による慢性痛治療(https://okuno-y-clinic.com)]
Q:筋肉注射のワクチン接種をうけました。次の日から注射をうけた腕に痛みがあり、棚の荷物を取ろうと腕をあげると激痛がはしりました。寝返りをうっただけでも肩から腕にかけて強い痛みが走ります。なぜ痛いのでしょうか。痛みの原因は注射を打ったからでしょうか。
ワクチン接種後に一時的な免疫反応で腫れたり、接種部位の疼痛がでたりすることがあります。通常は2,3日で徐々に軽快する場合がほとんどです。また、遅発性のアレルギー反応として数日から1週間くらい経ってから、ワクチン接種した腕のかゆみや痛み、腫れや熱感、赤みが出てくることがあります。こちらも数日で自然軽快します。
ただし、摂取後2週間を超えて痛みが持続する場合、SIRVA(Shoulder Injury Related to Vaccine Administration)といいワクチン接種に伴う肩の痛みが発生している可能性があります。
Q:筋肉注射によるワクチン接種後の肩が痛いです。筋肉がある場所に針を刺して傷をつけたことが痛みの原因でしょうか?それとも、免疫反応によるものですか?
ワクチン接種後に注射部位の痛みや筋肉痛、頭痛、易疲労感、発熱は免疫反応によるものと考えてよいです。こうした症状の大部分は接種後、数日以内に軽快します。新型コロナウィルスに対するワクチンの場合、種類によって多少異なりますが一時的な接種部位の痛みは50%以上あり、筋肉痛も10%から50%程認め、頻度は多い副反応です。痛みが長期にわたり続く場合はSIRVAを疑う必要があります。
Q:五十肩があります。筋肉注射のワクチン接種を五十肩の痛みがある腕にしても大丈夫ですか?
五十肩=肩関節周囲炎はすでに肩の炎症により疼痛、可動域制限を認めております。ワクチン注射によりさらに腫脹や炎症が強くなる可能性もあるため、反対の腕にワクチンを打つことが望ましいです。
Q:筋肉注射のワクチンを肩に摂取しました。5~6時間経つと四十肩のような痛みになってきました。湿布を貼ったり、肩こりに効く塗り薬をぬってもいいのでしょうか。また、飲んでよい飲み薬はありますか?
痛みがひどいときは、カロナールやロキソニン等の非ステロイド性抗炎症薬の内服で軽くなることもあります。湿布や塗り薬を使用すると、ワクチン接種部位がかぶれたり、かゆみがでたりする可能性があるので、接種後すぐの時期はやめておいたほうがいいです。