仕事人のお酒との付き合い方 チェリスト・中木健二さん
世界各地で美味しい食事、お酒 どこでバランス取っているのか?
「仕事人のお酒との付き合い方」のコーナーに今回ご登場いただくのは、チェリストで東京藝大音楽学部准教授の中木健二さん。日本だけでなく、ヨーロッパを中心にワールドワイドに演奏活動を行うなど、多忙な日々を過ごしています。そんな中でどのようにお酒や食事と付き合っているのか、聞いてみました。
― どんなお酒が好きですか?
「ボルドーに住んでいたこともあるので、ワインは好きですね。フランスって、ワインの選択肢がすごくあるんです。10ユーロぐらいでビックリするほど美味しいワインがたくさんあって。だからフランスから完全帰国するときは70本、日本に送りました。税関でちゃんと申告しましたよ(笑)」
― 中木さんは2003年に渡仏し、パリ国立高等音楽院、ベルン芸術大の両校を首席で卒業するなど、長く海外で研鑽を積んできました。食生活にもフランスの色が出るものでしょうか。
「そうですね。好きな食べ物は、肉とか野菜というシンプルなものなので。揚げ物とかチーズとかはあんまり家庭で食べませんね。フランスではトマトとかズッキーニとかを焼くと、本当に美味しくて。その名残が今でもあるのかなあ。野菜から肉か、野菜から魚といった流れで食べることが多いです」
― 世界各地を訪問し、コンサートを行われています。
「演奏家は旅が多いんですけど、現地に行ってリハーサルして、本番して。本番が終わるのはもう夜の9時とか9時半じゃないですか。そこから食べるものだけが、その土地の思い出なんですよ。翌朝には街を出なきゃいけませんしね。だから演奏家には、グルメな人が多いですよ」
夜の炭水化物、やけ酒はNG 美味しいと思ったものを美味しいと思っただけ飲む
― 夜においしいものを食べるとなると、肥満になる方も多いですが、スマートな体型を維持されています。食べ方に関して、心がけていることはありますか。
「夜には米や麺を食べないようにしています。フランスに住んでいた時は、演奏会が20時からなんです。それで終わった後、炭水化物を食べてから寝るとなると、翌朝つらかったものですから」
― お酒をたしなむ上で、自らに課しているのは、どんなことですか。
「飲み過ぎるほどは飲まないです。美味しいと思ったものを、美味しいと思うだけ飲む。それが一番だと思います。酒はストレス解消で飲むのではなく、趣味ですね」
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。 〔文/構成:ココカラネクスト編集部 〕
中木 健二(なかぎ・けんじ)
愛知県岡崎市出身。
東京藝大を経て03年渡仏。
パリ国立高等音楽院、スイス・ベルン芸術大の両校を首席で卒業。05年、ルトスワフスキ国際チェロ・コンクール第1位。08年第1回Note et Bien国際フランス音楽コンクールでグランプリなど受賞多数。
東京藝大音楽学部准教授。使用楽器はNPO法人イエロー・エンジェルより貸与されている1700年製ヨーゼフ・グァルネリ。