V率0%から100%へ…、広島が変わった4月の「あの夜」とは?
セ・リーグ4連覇を目指す広島が好調ぶりを見せつけています。50試合を終えて30勝19敗1分け。堂々の首位です。2年連続でリーグMVPに輝き、3連覇の立役者となった丸佳浩がFAで巨人に流出。人的補償で長野久義を獲得したものの、「丸ロス」は大きいと見られ、今季は苦戦が予想されていました。
そして、開幕直後はチームも投打の歯車がかみ合わず、泥沼に陥ります。過去、セ・リーグで開幕5カード連続負け越しや、借金8に達したチームの優勝例はなく、スポーツ新聞では「V率0%」と報じられました。田中広の不振、どうしたジョンソン、疲れているのか中崎…。しかし、「あの夜」をきっかけにカープは生まれ変わります。
広島が変わった「あの夜」
4月17日、熊本・リブワーク藤崎台で行われたジャイアンツ戦です。
前日、鹿児島で行われた巨人戦は2対8で大敗したばかり。一転、この夜は接戦が展開されました。そして2―2で迎えた八回裏一死一塁、丸がフランスアから一時勝ち越しとなる右越え2ランを右翼席に叩き込みます。古巣から初となる一発。12球団アーチが達成された瞬間です。
カープにとっては2点のビハインド。しかし、丸のこの一撃が赤ヘルナインのハートに火をつけます。巨人の守護神・クックの前に菊池のタイムリー二塁打などで追いつくと、二死二塁から石原が中前へ決勝打。昨年まで広島のお家芸だった、ナイン一丸の集中打が炸裂し、逆転勝ちしたのです。
この試合前までのここまでカープは16試合を戦い、4勝12敗の勝率2割5分…。ところがどうでしょう。この試合以降の戦績は5月29日現在、34試合で26勝7敗1分けの勝率7割8分8厘と猛威を振るい、手がつけられなくなっています。カープが11連勝した過去2年はともに優勝しており、「V率100%」と報じるスポーツメディアも出現しました。