【スポーツメンタル】自分よりも優れている人への嫉妬をどうすべきか?
[文:スポーツメンタルコーチ鈴木颯人のメンタルコラム(https://re-departure.com/index.aspx)]
アスリートである私たちは、競争と向き合う日々を送ります。
その競争社会の中でどうしても避けても通れないのが優劣になります。
「自分よりも上手い」
「自分よりも強い」
自分に基準にして上、下と定めるのがアスリート人生だと思います。
しかしそのようなことを続けていると気持ちの浮き沈みは避けては通れません。
だからこそ、ライバルや後輩への嫉妬をどうクリアにしていくべきか?
とても重要なことだと思っています。
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自分の弱みと向き合った高校球児
以前、甲子園に出るような高校で頑張る選手とのコーチングでこんな話がありました。
それが、
「どうしてもライバル選手が気になる・・・。」
「自分はレギュラーとして出ているがいつレギュラーから剥奪されるかわからない・・・」
そんな瀬戸際のメンタルでした。
そんな彼が一番苦手としていたのが「バント」でした。
バントが苦手で、バントのサインが怖いと。
接戦になるとバントが必要な場面で代打を送られていたのです。
だからこそなんとかバントを克服したい気持ちがずっとありました。
しかし、バントが出来ない自分の心とは向き合いきれてなかった日々が続いていました。
そこでバントが出来ない自分を認める努力をしてみました。
一般的に、出来ないことを認めてしまうと成長が止まってしまうのではないか・・・と思われがちです。
彼は、弱さを認める怖さがあったと話もしてくれました。
しかし、その弱さを認めきれないからこそいつまでもメンタルが成長しきれない彼がいたのも事実としてありました。
認めることは負けを認めるようなもの・・・
そして、弱さを認めることはライバルとの差が広がる怖さも同時にありました。
成長したいけどレギュラーを失う恐怖。。。
バントに対して負の執着を持っていたことで自信があったバッティングも崩れかけていました。
弱さと向き合う中で彼がバントに対して考え方を改めるキッカケが起きました。
それは、仲間の存在でした。
自分が出来ないことを最も簡単に出来る仲間。
その仲間こそがライバルの存在だったのです。
そんなライバルに自分のプライドを捨て頭を下げて教えてもらいにいったのです。
結果的にバントが劇的に上手くなった訳ではないのですがライバルとの信頼関係が良くなりました。
最後の夏、大事な場面で自分に代打をしてバントしくれるライバルの背中を心から応援できる自分になれたと話してくれました。