武田翔太 試合でピンチの時に考えていること
相手の動きを観察
劇的なサヨナラ勝ちで日本シリーズを制した福岡ソフトバンクホークス。その日本一へ王手を掛けた一戦の先発を任された武田翔太投手。侍ジャパンに選出されWBCからスタートした1年。怪我に苦しみながらも交流戦明けに復帰、リーグ制覇にも貢献した。それぞれの場面でどのような事を考えているのか。
今回は、苦しんだ時期から9月に完封勝利し、ようやく最後の最後に調子を戻し復活を果たした直後にお話し頂いた第2弾をお届けします。
試合でピンチの時に考えていること
武田: まずは、どう討ち取ろうかなということを考えますね。キャッチャーミットはボヤッとしか見ていなくて、バッターのことを見ています。これは、長く野球をやってきて掴んだことですが、何を見ているかは秘密です。
これはピンチの時も、そうでない時も同じように思います。
もちろん、試合前にデータを見ながらミーティングもしているのですが、試合中はバッターも自分のデータを分かっていますからね。その辺は現場勝負になってくるところです。
バッターが一番得意なところの近くには、打ち取れるところが存在します。そこに投げられるかどうか。
先発陣が打たれるケースは、だいたいバッターが慣れてくる最後のほうです。
まずは、先発陣がそのリズムを崩していかないと、相手チームは、その後も打ってきますからね。
調子が悪いときは、その得意なところの近くの空振りゾーンを狙って投げても、ズレてしまう時です。コントロールの問題ですね。スピードではありません。
例え、135km/hで投げていても、針の穴を刺すようなコントロールであれば完封できてしまうのです。
配球は自分の良しと思うところしか投げないのですが、キャッチャーとコミュニケーションを取っているので、自分が思っているところと合致するときは1発でいきますね。
コントロールが悪い時はどうするのか?
武田: コントロールが良い、悪いは投げるフォームは変わらないのですが、何が違うかというと、主に可動域です。股関節や肩関節が固くなり始めたら、自分が思っていたところよりもズレてきます。
仮に手元で1cmズレていたら、キャッチャーのところに到達するころはだいぶズレがありますからね。
そういう時はイニング間でも裏に行って、股関節が固まらないようにストレッチなどをして動かしています。
ピンチの時は、どうしても手元で考えてしまいがちですが、じつは下半身の動きが重要になってきます。
そこで、感覚通りに動くようにするための作業(=ストレッチ)をするのです。
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※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
〔文/構成:ココカラネクスト編集部 〕
武田翔太(たけだ・しょうた)さん
1993年4月3日、宮崎県宮崎市出身。
宮崎日大高校出身。2011年のドラフトで福岡ソフトバンクホークスから1位指名を受けて入団。1年目から1軍の先発ローテーション入り。
高卒ルーキーの初登板初勝利という2年ぶり17人目の快挙を成し遂げるも、2013年と2014年は疲労や右肩の違和感で2軍降格、この時の経験から栄養学やスポーツ科学を研究。
年間3600kmのジョギング、栄養知識に基づいた自炊などに取り組む。2015年は13勝、2016年は14勝とチームの柱となり、2017年WBCにも出場。
公式ホームページ https://shotatakeda.com