上原浩治選手と高橋由伸監督の二人が大事にしている同じ事とは?【フジ・田中大貴アナ連載第1回】

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 こんにちは、フジテレビアナウンサーの田中大貴(37)です。ココカラネクストから依頼を受けて連載記事を書かせて頂くことになりました。
 1回目の今回は巨人・高橋由伸監督(42)と米国メジャーリーグから10年ぶりに巨人に復帰した上原浩治さん(42)。取材を通してお世話になったお2人についてです。

 これから19年前のオフ、僕が大学1年生の時でした。テスト期間中、野球部のグランドで聞いたことがないような打撃音と速球が唸る音が響き渡っていました。当時、入団2年目を終えた高橋由伸とルーキーイヤーを終えた上原浩治。打撃投手が上原。バッターボックスに高橋。二人が日吉の慶大グランドで必死に自主トレに励む姿は今でも鮮明に覚えています。

「当たり前のように同じ練習を反復する…すごいな…」

 19歳だった僕が二人の練習を野球部寮の窓から食い入るように見ていて感じたことでした。1975年4月3日生まれ。高橋由伸と上原浩治の誕生日です。入団年は1年違えど、一人はエースとして、一人は中心打者として巨人を支えてきました。同じ日に生を授かり、そして導かれるかのように同じチームに入団し、日本球界の中心で活躍して来ました。その二人が今年、10年ぶりにタッグを組むことになりました。今度は監督と選手として。今月で43歳。チームの優勝が絶対命題とされる三年目の指揮官と、大リーグから舞い戻ってきた偉大なるベテラン投手。上原投手が悩みぬいた末、引退ではなく、現役を選び、日本球界に戻ってきた先が高橋監督率いる巨人。これからドラマチックな展開が待っている…そんな想像が頭の中を駆け巡ります。

 その二人の取材を続ける中で、「誕生日」以外の共通項がもう一つあります。それは、「どんな時も変わらずに居続けること」です。高橋監督は現役時代から、「大切にしていることは何ですか?」と伺うと「どんな時も変わらないでいることかなあ」と口癖のように言っていました。無理に変化していくことよりも変化せずに居続けることを大切にし、高橋監督の今があります。

 一方の上原浩治はどうか。日本球界から大リーグへ、アメリカでは4球団。そして10年ぶりに日本球界復帰。劇的な変化を迎えているように世間は思うかもしれません。ただ上原投手はというと「やることは何も変わらへんよ。必要とされるようにひたむきにやる。俺の気持ちは浪人生時代から何も変わってへんよ。一緒、一緒。」これを時には口癖のようにこぼす上原投手。まさに変わらずに自主トレに励み、同じ練習を時がたっても同じように続けている姿が今年もありました。

 「上原さん、40代になってますよね。毎日、同じ練習を同じ時間から、同じ場所でよく続けられますよね?」と僕は聞いたことがあります。返ってきた答えは、「変わるのは簡単、変わらずに続ける方が難しいねんで、ほんまは」本当に印象的な言葉でした。

 高橋監督と上原投手。二人が言葉にする「変わらない」という言葉。野球のステージだけではなく人生というステージで潜在的に意識している言葉なのです。

「王さん、長嶋さん、そして一つ上の松井秀喜さん。先輩たちを近くで見ていて、良い時も悪い時も、そしてどこでどんな人に対しても変わらず、いつも同じように対応する姿を見ていた。変わらずに居続けることが如何に大切で、同時に如何に難しいか。自然と教えてもらっていたんだと思う。そして再確認もできたのかな」

 こんなことを引退前年に高橋監督が話していたのを今でも覚えています。

 「変わらずに居続ける」二人が10年ぶりにタッグを組む今年。ファンも声援も球界も、そして二人自身も変わることなく野球界を前に進めてくれること間違いないと思います。

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※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

田中 大貴 (たなか・だいき)

1980年4月28日、兵庫県小野市生まれの37歳。小野高では2年から4番で打線の主軸を担った。巨人・高橋由伸監督にあこがれてか慶應義塾大学 へ。4年春に3本塁打でタイトルを獲得。フジテレビ入社後は主に報道・情報番組とスポーツを担当。「とくダネ!」「すぽると!」ではバンクーバー五輪、第2回WBC、北京五輪野球アジア予選、リオ五輪キャスターなど様々なスポーツイベントを現地からリポートした。現在もスポーツニュース番組「スポーツLIFE HERO’」で土曜担当キャスターを務めるなど多くの番組で活躍。

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