「広場恐怖症」公表した永野投手、「飛行機恐怖症」を告白したオランダ、キューバの英雄は?
聞き慣れない病名に驚かれた方も多いのではないか。ロッテの永野将志投手が12日のヤクルトとのオープン戦に登板後、「広場恐怖症」を患っていることを公表した。
広場恐怖症は、特定の場所、環境下で過剰な恐怖や不安を持つ「不安症群」の一つ。「広場」という名前こそつくものの、閉ざされてすぐに逃げ出すのが難しい場所や状況にいると、激しい動悸などに襲われる。
プロ野球選手である永野の場合、具体的に問題となるのは移動手段である飛行機や新幹線だ。
石垣島でのキャンプでは、少しでも距離の短い大阪からの移動にチャレンジ。2度ほど試みたがうまくいかず断念し、社会人時代に所属したホンダの施設で調整していた。新幹線の移動は、駅間の距離が短い各駅停車のこだまだけなら可能という。昨年の仙台・楽天生命パークへの遠征は、車で4時間以上かけて移動していた。
ベルカンプは「飛行機恐怖症」
移動手段に関する問題に悩まされるアスリートは意外と多い。
世界的にも有名なのが「飛行機恐怖症」を公言していたサッカーの元オランダ代表FWデニス・ベルカンプ。欧州大陸内であれば、どんな遠隔地にも陸路を選んだ。飛行機を理由に遠征を欠席することもあり、所属クラブや代表監督の悩みの種として知られていた。
恐怖症を発症した理由は諸説あるが、搭乗予定機が爆破予告を受けたというエピソードが残っている。まだ恐怖症が定着する前の1994年アメリカW杯にはチーム便で渡米した。だが、大会期間中に代表チームの搭乗機が爆破予告の影響で緊急着陸。大会以降、ほとんど飛行機には乗れなくなったという。
全盛期の2000年に31歳で代表引退を表明した。その理由の一つが、2002年日韓W杯で飛行機に乗れないため、極東の島国での大会を乗り切れない、というものだった。
欧州クラブでプレー中も、自国リーグはまだしも、欧州CLなどで他国へ挑む際はアウエー戦は欠場することが多かった。ステージが上がり大事な試合になると、チームとは別行動で列車や車を駆使して長時間移動していた。