手先を使う人は注意!親指のドゥケルバン病をご存知ですか?
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ドゥケルバン病という名前を聞いたことがあるでしょうか?「病」と言われていますが、これは病気ではありません。腱鞘炎の一種です。大人なら年齢や性別を問わず誰にでも起こりうるドゥケルバン病についてここで詳しくお話します。
腱鞘炎とは
そもそも腱鞘炎とは、手に起こる整形外科疾患の事です。その中でも親指の付け根に起こる腱鞘炎をドゥケルバン病と言います。
どうしてなるの?
腱鞘炎の起こる原因は指の使い過ぎにあります。指を動かす時、腕の筋肉と手の筋肉が収縮することで指骨を動かします。これによって「握る」・「つまむ」・「開く」といった手の繊細な動きが出来るのですが、腕の筋肉は手首の手前で細い腱になり手に向かっています。その数は多く、しかも腱以外にも神経や血管も近くを走行しているので、それらの組織がぶつからないように腱には専用の通り道が用意されている部分があります。これを腱鞘といい手首周りや手のひらにあります。腱鞘はトンネルのようになっており、その中を腱が通過するのですが、指を使いすぎると腱と腱鞘の摩擦が起き、次第に炎症を起こします。これが腱鞘炎です。
裁縫やパソコン作業、家事などで手を使うことが多い人になりやすく、職業別に見るとデスクワークの人や主婦はもちろん、美容師や料理人、工場勤務の人がなりやすい傾向にあります。
腱鞘炎は五本指のどれでもなり得ますが、中でも多いのが親指です。これは手の構造にその理由があります。人差し指から小指までの4本指は平行に並んでいるのに対して親指は4本指とは対角に動きます。その為、指の中でも親指は特に使う頻度が高くオーバーワークによる腱鞘炎になりやすいのです。
どんな症状なの?
ドゥケルバン病の症状は痛みです。「物を持つと痛い」、「つまむと痛い」、「握りこむと痛い」など、指に力を入れる時に痛みが出ますが、ひどくなると力を入れなくても痛むことがあり、軽く親指を動かすだけで痛みを伴うこともあります。
しかし、症状が進行してもしびれたり、骨が折れたりすることはなく、ただ痛みが増すだけでそれ以上の症状はあります。とは言うもののひどいドゥケルバン病はかなりの痛みになるので安心は出来ないと思います。
チェック方法
ドゥケルバン病はかんたんなチェック方法があります。それはフィンケルシュタインテストです。これは整形外科や整骨院でも行われるテスト法ですが、専門家でなくとも誰でも1人で出来るテスト法です。
まず、手を身体の前に突き出し、親指が上に来るようにします。次に親指を中に握りこみ拳を作ります。この時点で親指の付け根、特に手首の辺りに痛みがあれば陽性、つまりドゥケルバン病と考えて良いでしょう。親指を中に入れて拳を握っても痛みがなければそのまま、手首を小指方向に曲げていきます。親指の腱はこの動作でより伸張されるので痛みを誘発しやすくなります。これで痛みがあれば、これも陽性です。
別の方法として、手をパーにして親指の付け根に凹みが出来るのが分かると思います。凹みの周りを反対の指で押してみて痛みがあれば、これもドゥケルバン病を疑います。
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自分で出来るドゥケルバン対策
ドゥケルバン病は仕事をしている人に多い疾患です。その人の職業によっては、ひどくなると仕事に支障をきたすこともあるので、もしドゥケルバン病になったと思ったら早めに対処し、重症化させないことが大切です。
マッサージ
腱鞘炎の原因は基本オーバーワークです。筋肉疲労の蓄積が筋・腱の柔軟性を失わせる事でドゥケルバン病の発症リスクは高まるので、マッサージで腕の筋肉をほぐすのは効果的です。特に腕橈骨筋という腕の筋肉はよくマッサージしておくと良いでしょう。
肘を90°曲げて身体の前に持ってきます。この時に親指は上を向くようにしましょう。肘から3横指(人差し指~薬指までの幅)下がったところが一番筋肉の盛り上がりがあると思います。ここが「手三里」という経穴です。腕や肩の様々な症状に効くと言われている経穴で、腕橈骨筋も丁度このあたりになるので、「手三里」を目安にマッサージをすると良いでしょう。
ストレッチ
ストレッチの効果はマッサージと同じようなものです。なので、どちらか一方だけでも良いですし、両方組み合わせて取り入れても良いでしょう。
やり方は、まず肘を伸ばして手を前に出します。手首を手掌側に曲げ、そのまま外に指先が外を向くように捻っていきましょう。反対の手で捻るのを手伝い、ある程度捻れたらその状態で再度、手首を手掌側に曲げていきましょう。ドゥケルバン病に関わる前腕伸筋群がストレッチされます。
アイシング
痛みが強い時は冷やすのが良いです。ドゥケルバン病は腱鞘「炎」なので、身体の内部に熱がこもっています。痛みが強いという事は、それだけ炎症が強いという事なので、氷などを使い、熱を吸収してあげると痛みが和らぎます。
アイシングは、ビニール袋に氷を入れたもので行います。ケーキなどを買った時に付いてくる保冷剤でも代用できますが、シップなどは冷却力が弱いのでオススメしません。患部に直接、または薄い布で氷袋は包んで当てたら、10分~15分ほど当てます。冷却していると徐々に痛くなり、その後感覚がなくなってきます。感覚がなくなってきたら冷却終了のサインだと思ってください。あまり長くアイシングを続けていると凍傷を起こすとこもあるので気をつけましょう。
テーピング&サポーター
1人で出来る最も簡単な対処法と言えば「サポーター」です。市販のサポーターはスポーツ用品店や、ドラッグストア、介護用品コーナーなどで置いてあることがあります。一人で着脱が出来、そのままスポーツや仕事もできるので、とても便利です。
また、テーピングもおすすめです。テーピングの効果はサポーターと同じですが、特徴が少し違います。サポーターはいつでも繰り返し着脱できるのに対し、テーピングは一度剥がしたら新たに付け直さなければなりません。手間がかかる半面、皮膚に直接貼り付けるので、サポーターよりも患部のサポート力が強く、着けている間の痛みを和らげる効果は強いです。