親に本音が言えないことが生きづらさにつながる理由とは
なぜ親に本音を言えなくなってしまったのか。
まずなぜ親に本音を言えなくなってしまったのかを考えてみたいと思います。
親に本音を言えなくなってしまったのはいつからでしょうか。
赤ちゃんは本音を表現しない、なんてことはあまりないかもしれません。
お腹がすいた、不快だ、という気持ちを素直に表現しなくては死んでしまうからです。
もともと生まれたときから本音を表現できない性格だったということはなさそうです。
成長過程において、自分の思いを表現したとき、例えば親が子どものためを思って一生懸命用意した料理を、「これ嫌い!」と素直に言ってしまった時、親に嫌な顔をされたり、がっかりした顔をされたり、怒られたりすることは一度や二度ではないでしょう。
子どもが本音を言うことが、親にとってわがままだったり、自分勝手だったりすることもよくあることです。
親はなぜ子どもがそういう発言をしたのかその背景をよく理解しようとせずに、あなたは間違っている、と子どもを否定することもありがちでしょう。
子どもにとって親から否定されたり、嫌な顔をされたり怒られたりすることは、生死に関わる重大なことです。
なぜなら親から見放されたら、子どもは生きていけないからです。
すると、子どもは親の顔色を伺いながら、徐々に本音を言わなくなっていきます。
そしてそれが心の癖となります。
成長過程でインプットされた心の癖は、親から独立して大人になり、親が自分の生死にかかわることがなくなっても、影響を与え続けるのです。
本音が言えないことは本音がわからなくなることにもつながる
また大抵の親は子どもが憎くて、子どもの本音を否定するのではないと思います。
親の目線で、人間関係においてうまくやれるように、社会に出て立派に暮らせるように、健やかに成長できるようになど、子どもの将来のためを思って否定するのではないでしょうか。
「好き嫌いすると大きくなれないぞ」
「そんなにわがままだと、社会に出てやっていけないわよ」
「自分勝手はやめて、人の気持ちを考えなさい」
「あなたのためを思って言ってるのよ」
そんな風に否定され続けると、子どもは自分は気持ちのままに表現し行動してはいけない人間だと思い込むようになります。
すると、本音を言わなくなることももちろんですが、自分の本音自体もわからなくしていきます。
自分がどう思うか、感じるかをわからなくしてしまった方が、親目線の「いい子」「いい人間」になっていきやすいからです。