ピエール瀧自粛ラッシュの本質は「怒られない」ため!? 厄介な『自称・良識派』の「正論っぽい」声に負けてしまう会社員に芸術が守れるのか
やっかいな『自称・良識派』のやっかいな「正論っぽい」ご意見
大手レコード会社に勤務するディレクターは、その背景をこう語ってくれました。
「簡単に言えば、上から怒られるのがイヤだからですよ。そのまま放置しておけば、『なぜ犯罪者の作品を野放しにするのか』という自称・良識派からの抗議が必ず来ます。たとえそれが少数であっても、お客様の声ということで、一定の説得力を持つ。ならばそれに先んじて、自粛しちゃった方がいい。時間が経過して、禊ぎを済ましたら、しれっと再発すればいいだけの話ですから」
いったん引っ込めて、嵐が過ぎ去るのを待つ。それってすごく保守的ではないですか。レコード会社の社員として、芸術作品を守るという矜持はないのですか。そんな疑問が沸いてくるところですが…。
「そりゃ正直、誰も自粛なんてしたくないと思いますよ。みんな音楽が好きで入社したし、アーティストへの思い入れもある。『うるせえ、ガタガタ言うなバカヤロー』っていうのが偽らざる本音です。でもね、不祥事が起きたらまずは反省モードに切り替えて、殊勝に振る舞うのはどの業界であろうと危機管理の『イロハのイ』じゃないですか。『人の噂も七十五日』と言いますから。数年たったら、瀧さんも普通に活動を再開していると思います」
やや寂しい回答でしたが、サラリーマンである以上、仕事を進める上で「怒られないこと」が決して無視できない要素であることも確かです。
電気グルーヴは今年で30周年。
ニュースやワイドショーでは繰り返し名曲「Shangri‐La」が流れるなど、結果的に破格な露出がなされた点においては、電気グルーヴらしいド派手な30周年イヤーになったと言えるのかもしれません。
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]