「自覚無いストレス」に注意!ストレスの可視化と対策とは
ストレスが「溜まる」とは、どういうこと?
そもそもストレスとは、外部からの刺激となる要因(ストレッサー)を受けたときの感覚のこと。冒頭にも記したように、そのような感覚は、液体や固体などのような量に換算することはできないため、それが「溜まる」という表現は、厳密にいうと正確ではないかもしれません。
ちなみに、ミスをして怒られた後も、しばらくすれば気を取り直して仕事ができるように、ストレスを感じても、休んだり、気分転換をしたりして回復するのが通常です。実際、身体の中でも、ストレスを感じた際、意識と関わりなく働く自律神経などによって、バランスを保っています。そのようなバランスが取れているうちは、ストレスが溜まっていない状態と言えるでしょう。
したがって、ストレスが「溜まる」とは、ストレスを感じ続けていて、身体や心に影響がある状態、もしくは影響があるかもしれないと感じている状態と言い換えられると思います。
ちなみに、ストレスは、必ずしも本人が自覚したものばかりとは限りません。仕事でミスをして怒られたときや、人間関係がうまくいかなくて悩んでいるなど、自覚できるストレスもありますが、一方で、嬉しいことや楽しいこともやはり刺激としてストレッサーとなり得ることがあります。そのため、知らず知らずのうちにストレスが「溜まる」ことがあるので要注意です。
どうなる?ストレスを溜め続けた結果は・・・
通常は、ストレスを感じても、ストレッサーがなくなれば自律神経の働きも元に戻りますし、自分でもストレス解消のための行動を取ることができます。しかし、ストレスを溜め続けると、そのどちらもうまく機能しなくなります。
まず、自律神経については、ストレスを受け続けることでバランスが崩れることに加え、その働きが元に戻りにくくなってしまいます。そのため、本来ならば客観的にはストレスを感じる必要が無い状況でも、身体は勝手にストレスを感じてしまい、必要以上に興奮した状態のまま。具体的には、心臓がドキドキしたり、胃が荒れて痛くなったりします。
また、ストレスを溜め続けると、海馬など脳の機能が低下することで、記憶力や判断力が弱まってしまいます。そのため、ストレス解消をしようと思っても、そのために適切な行動を取れなくなります。例えば、適切な栄養バランスや運動が大切と頭では分かっていても、暴飲暴食をしてしまうようなことになってしまうのです。また、脳の機能低下はうつ病の発症にも関連すると言われています。
このように、ストレスが溜まると、身体と心がうまく働かなくなってしまいます。そのまま悪循環が続くと、ストレスは解消されずに溜まる一方。最後は、キラーストレスとなって、心臓病や脳梗塞など、命に関わる症状が出てしまう恐れもあるのです!