ガンバレ、受験生!受験とストレスについて
どう影響する?過度のストレスと受験勉強
もちろん、受験生も含めて、人間生活にはある程度のストレスが必要です。受験勉強において、ストレスは集中力を高める役割もある一方、それが過度になってしまえば、勉強に悪影響を与えてしまいます。
具体的には、過度のストレスは、まず脳の記憶機能に悪影響を及ぼすと言われています。人間の脳で長期記憶や空間把握能力を司る部位を、海馬(かいば)といいますが、この海馬の機能や海馬それ自体が、継続したストレス状況によって損なわれてしまうのです!
そのメカニズムは、次のような流れになります。ストレスを感じ続けることで、副腎皮質からコルチゾールというホルモンが分泌されます。海馬には、このコルチゾールの受容体が通常の細胞より多く存在するため、その影響を受けやすくなります。
海馬の細胞がコルチゾールを受容すると、細胞の機能が損なわれ、記憶などに悪影響が出る、ということになります。加えて、脳自体への影響ほどではないにしても、過度のストレスは、知的能力や認知能力に影響を与えるとされ、創造性や、判断力・意思決定、注意力が損なわれ、全体的なパフォーマンスが落ちると言われています。
このような記憶力や判断力などは、受験勉強を進める上で重要な能力です。過度なストレスを抱えたままでは、いくら勉強をしても覚えられず、身につかないことになってしまいます。
また、高度な思考を要する問題を解く力が落ちている状態で難問を解こうとしても、当然ながらうまく解けず、焦りや不安でますますストレスを抱えてしまう可能性だってあるのです。
もちろん、過度のストレスは、大人と同じように心身に影響を与えます。うつ病などの心理的な病気や、体内のホルモンバランスが崩れることで、様々な身体の病気を引き起こしてしまい、受験だけでなくその後も続く長い人生そのものにも、悪影響を与えてしまいかねません。
大人よりもストレスに対処する経験が少ない受験生にとって、ストレスへの対処は重要な問題なのです。