ハイスペック成功者の子弟はなぜ道を踏み外してしまうのか
(2)親子関係も「カネで解決」に頼りがち
今でこそ働き方改革が叫ばれ、ホワイトカラーの労働時間短縮が社会でも求められていますが、現在の50代以上は「24時間戦えますか」とリゲインをグイッと飲んで徹夜した世代。出世のためには長時間労働や公休未消化もいとわず、たまの休みもゴルフだ休日出勤だと頑張ってきました。
もちろん、家庭のことは奥さん任せ。おかげで昇進を重ねたけれども、子どもが最も難しい時期、どのように向かってきただろうか。ついつい面倒くさくなっちゃって、おカネで甘やかすことはなかったか。必要な理由も聞かずに、みだりに買い与えたりしなかったか。
コミュニケーション不足をおカネで解決するのは手っ取り早い方法ではありますが、気づいたら父子で会話もままならなくなっている…エリートが陥りやすいワナです。子育てはビジネスのように、損か得かで単純に割り切れるものではないからです。
(3)「偉大なパパの子」というプレッシャー
どんなお父さんであっても、幼少期の子どもにとって、自分ができないことが何でもできちゃうパパは憧れの存在です。社会的地位の高い父親だったら、なおさらでしょう。いつか僕も同じように東大に行くんだ、医学部へ行くんだ…大いなる父の背中を追うのは自然なことです。
しかし。(1)でも書きましたが、父と子は別人格なのです。いくら早くから受験の準備に取り組んでも、同じ道を歩める保証はありません。期待通りではないランクの学校に進んだ際、親は我が子に心から「進学おめでとう」と言えるでしょうか。「なぜ?」「もっとやれたのでは?」といった態度が出てしまうと、子どもは傷つき、心の片隅にトラウマが残ります。
我が子が生まれてきたときのことを考えて下さい。初めて抱っこした瞬間、誰もが「元気でさえいてくれればいい」と思ったはずです。過度な期待はせず、子どもの声にも耳を傾けながら、ベストよりベターな道をその都度一緒に選んでいくしかありません。
子育てに「必勝法」はないのですから。
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]