女子体操パワハラ問題 「18歳の少女は嘘をつかない」の感情論は本質を見誤る危険性も
体操の2016年リオデジャネイロ五輪女子代表・宮川紗江選手(18)のパワハラ問題が大きな波紋を呼んでいる。 宮川選手は会見で、体操協会の塚原千恵子・女子強化本部長(71)について「権力を使った暴力。パワハラだと思う」と告発。「私と速見(佑斗)コーチを引きはがそうとしている」と語った。日本体操協会は速見コーチが頭をたたくなどの行為を認めたため無期限登録抹消などの処分を下したと説明したが、宮川選手は「パワハラされたと感じていません」と主張した。
塚原本部長が宮川選手が会見で告発した内容を「なぜあんな嘘を言うのかわからない」と報道陣に語ったことでバッシングを受け、具志堅幸司副会長は「18歳の少女がウソをつくとは思わない。どこまで本当かウソかなんて、私からは言えない」と見解を述べた。
宮川選手の告発は勇気ある行動だが、冷静に判断しなければいけない問題がある。事の発端は速水コーチによる宮川選手へのパワハラ問題だった。テレビのワイドショーでは「宮川選手がかわいそう」という論調で連日報道されるが、ネット上の意見は「宮川擁護」の一辺倒ではない。「塚原バッシングこ陰に隠れてるけど、速水コーチも暴力をふるった事実がある。本人が感じなくても立派なパワハラなのでは?」、「宮川選手はかわいそうだけど速水コーチとまた一緒にやりたいというのは通用しない。パワハラをやってもまた戻れると前例を残すことになる」と冷静な意見が多い。