心が軽くなるメンタルケア(第4回)ストレスは喜んで受け取る

タグ: , 2018/3/14

ストレスは喜んで受け取る、身も心もピカピカになるから


 前回までのあらすじは、第1回にストレスは体、心、に入るすべての刺激であり、これには良いも、悪いもないこと。第2回目は美味しいものや楽しいことが人生を豊かにしてくれるのではなく、これら「休息」によって「しあわせフィルタ」を元気に働かせるから、豊かに感じること。第3回は組織(家族・会社など)において受容的な雰囲気をチーム内に育めるかどうかが、組織成長の鍵であること、をお伝えしてきました。

 最終回はストレスの効用をお伝えしようと思います。ポイントは、ストレスは最終的にpersonalityの成熟に必要だからです。私もそうですが何か不都合なことが起こると「いつも私はこうだ」、「私の運命はこうだ」と考えがちです。しかし、失敗や自分の運命とあきらめていることの多くは自分の「心のフィルタ」に成長がなく常に同じ傾向の思考・行動をとることによって似たような結果=運命がやってくるわけです。つまり不都合な運命を変えたければ、自分のpersonality (ここでは外からのストレスに対し心フィルタを通して行ってしまう感情・行動のことを言います)を変えなくてはいけません。他人から指示されても自分の心フィルタは変わりませんが、自分で認知し静観・客観視することで「personality=性格」は変えられます。

 最後に、なぜ成熟したpersonalityが必要なのでしょうか?それは自分・自己だけでは人生の「果実」が少なく協調・共同した方が多くの「果実」を得られることを数千年の「人の道」を通じて知ったからだと思います。年配者は「心のフィルタ」が成長・成熟しており情動、行動に安定感がありますよね。動きや喜怒哀楽がゆっくりに、見えるのはそのせいかもしれませんね。

 人の道、仏教や多くの宗教心も現在ではmind fullnessと形を変えて欧米を中心に科学的考察が始まりました(Clin Psychol Rev. 2018Feb;59:101-117)。

 マインドフルネスとは「意図的に、今この瞬間に、価値判断することなく注意を向ける事」です。自らの体験に「気づき」を向け、評価するのではなく、受容し慈しむ状態です。人生は学びの旅であり、学びとは気づきです。

■編集部からのお知らせ
3月7日に発売の雑誌「CoCoKARAnext」では読売ジャイアンツ・菅野智之投手のインタビューの他、プロ野球選手に学ぶ仕事術などストレスフルな時期を乗り越える情報を掲載。

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

鳥居京子(とりい・きょうこ)

鳥居京子(とりい・きょうこ)

日本医科大学精神神経医学教室、研修を経て日本医科大学千葉北総病院、医療法人緑光会東松山病院、埼玉精神神経センター、飯能老年病センター、医療法人松崎病院、医療法人社団碧水会長谷川病院、医療法人壽鶴会東武中央病院などに勤務。
■資格 精神保健指定医/精神科専門医/日本医師会認定産業医
麻布十番メンタルケアクリニックHP http://www.azabu-mentalcare.jp

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