元メジャーリーガー・田澤純一がドラフト指名から漏れた理由とは
元メジャーリーガーで、今季はBC埼玉でプレーした田澤純一投手のドラフト指名漏れを巡って、様々な議論が沸き起こっている。
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田澤は2008年にドラフト1位候補ながら、12球団に指名断りを入れ、レッドソックスと契約した。その経緯からメジャー球団からの青田買いを防ぐため、帰国後のNPB入りを数年凍結する「田澤ルール」まで作られた。田澤の帰国を機に、田澤ルール自体は9月に撤廃され、今回のドラフト会議では田澤自身も指名対象選手に。指名の行方にがぜん注目が集まり、埼玉の会見場には50人以上のメディアが集まったが、最後までその名前が読み上げられることはなかった。
一部のライターらからは、いまだNPBに残る田澤との禍根が指名をとどまらせた、と指摘する声があった。また新人選手を指名するドラフト会議に、メジャー通算388試合の実績を誇る田澤の存在はふさわしくなく、新人選択という貴重な1枠を投じるのに最後まで躊躇していた、と報じるメディアもあった。
だが、どう客観的に見てもこれらの声は的外れである。
禍根が残り指名しないのであれば、そもそも田澤ルールの撤廃自体ありえなかっただろう。ましてや、田澤は今年の7月に埼玉で「国内復帰」したばかり。NPBはわずか2カ月で、これまで批判の対象でしかなかったルールを撤廃している。MLBで得た実績は捨てがたいものがあり、日本球界に還元できる財産は計り知れない。NPB入りの道筋を早急に整えた姿に、禍根は当てはまらない。
「ドラフトの貴重な1枠」という指摘も、筋違いと言える。ドラフト会議では各球団、10人まで指名することができる。今年のドラフト会議では、最多指名は阪神の8人。ソフトバンクとロッテは5人で終えた。どのチームを枠を余して終えているのである。