大谷 エンゼルスと決別か 「ヒリヒリする9月を過ごしたい」の本音とは
珍しいシーンだった。10勝目がかかった26日(日本時間27日)のマリナーズ戦に「2番・投手」で先発出場した大谷は7回5安打1失点10奪三振と好投したが、勝敗はつかず。7回にケルニックからスライダーを捉えられ、同点ソロを浴び、1―1とした7回裏。打者として準備を進めながら、打席は回ってこず、10勝目のチャンスはついえた。直後、ベンチでバットをたたきつけるなど、珍しく悔しさを見せ、勝利への本能をあらわにしたのだ。
現在のチームは投打にわたって大谷頼みといっても過言ではない。主力ではトラウト、アップトン、レンドンなど主力を故障禍で欠き、若手を積極起用しているものの、結果には結びついていない。従来から投手陣の弱さも指摘されており、チームは今季のドラフトで全員投手を獲ると思い切った策を取ったことも話題になった。とはいえ、「勝てるチーム」になるまでにはまだまだ時間が必要となりそうだ。
こういった現状を踏まえて試合後、米報道陣から2023年オフにFAとなることを問われると大谷はこう答えた。
「エンゼルスのファンも、球団の雰囲気も好きです。でも、それ以上に勝ちたい気持ちが強いですし、プレーヤーとしてその方が正しいと思います」。その言葉からは移籍を前提としたものではないとしながらも、強いチームで戦うことへの渇望感が伝わってくる。
大谷は同会見でこうも語っている。プレーオフ進出を逃したことでのモチベーション維持の難しさを問われると「ありますね、やっぱり。もっともっと楽しいというか、ヒリヒリする9月を過ごしたいですし。クラブハウスの中もそういう会話であふれるような9月になることを願っていますし、来年以降そうなるように頑張りたいなと思います」