トップアスリートに学ぶ「心のマネジメント術」諦めかけた東京五輪で学んだこと

タグ: , , , , , 2021/11/25

 「心理カウンセラー×アスリート」の対談で「心のマネジメント」についてひもとく連載の第4回目。臨床心理士・公認心理師として様々な悩みを抱える人をカウンセリングしてきた心理カウンセラーの塚越友子氏と埼玉パナソニックワイルドナイツに所属する藤田慶和選手編最終回となる今回は、今夏に行われた東京五輪でのパフォーマンスを中心に「心の整え方」を学びます。

・今すぐ読みたい→
トップアスリートに学ぶ「心のマネジメント術」 ~心技体のバランスとは~ https://cocokara-next.com/motivation/method-of-mind-management-01/

みんなといるときは明るくいられても、1人になると不安に。友人の前では弱音を吐き出していた


塚越 前回は試合に臨む際には準備、プロセスが大事だというお話を聞かせて頂きました。また今夏の東京五輪についてはコロナもあって、調整期間がずれたりいつ開催されるのかという不安もあったと思います。藤田選手は怪我をされていて、直前までリハビリをしながらの調整だったかと思いますが、いつもと違ったメンタル面での工夫とかはありましたか?

藤田 まずコロナ禍での延期に関しては、僕たちがどんなにわがままをいっても覆らないことですし、コントロールできないこと。開催が危ぶまれていましたけど、僕は絶対に開催してもらえると思って準備をしていました。その中で、延期が決まった後の一年は、僕はずっと怪我と復帰の繰り返しでした。メンタル的には、以前自分はポジティブだと言いましたけど、この期間はかなりメンタルは辛かったです。

塚越 どのような状態になったのでしょうか?

藤田 コロナになってからは代表合宿中も1人部屋だったんですが、みんなといるときは明るくいれても、1人になると『本当にオリンピックに行けるのかな』と不安になったりもして。全くラグビー関係無い友達にも結構相談してましたね。そうすることで、元気をもらったりしたので、そういう友人の存在が今回かなり大きかったなと思いますね。

塚越 藤田さんでも不安になったりすることはあったんですね。

藤田 やっぱりチームの前では士気を下げるわけにもいかないので、弱音を吐いたりできないし明るく振る舞っていましたけど、友達の前では弱い部分を吐き出していました。でも意外とそういう時友達って、『怪我なんて、やってしまったことは仕方ないやん。まず治すことからやろ』みたいに、自分はオリンピック大丈夫かなとか先のことを心配していた時にそう言ってくれたので、『まずケガを治すことか』と元気をもらえたなと感じています。

塚越 先を考えて不安になっていた藤田さんをお友達が「今」に戻してくれたんですね。

藤田 まずやるべきことをやろう、という気持ちに戻してくれましたね。

塚越 五輪までの一年は怪我のことで悩んでいたということですね。

藤田 怪我がまた再発して、メンバーに選ばれなかったり、オリンピックにいけなかったらどうしようという思いと、しっかり治そうという思いが戦っていたというか。その中ですごくキツかったですけど、友達とかの支えもあり、そこを乗り越えて今回オリンピックにいけたので、そこは自分の中では大きな成長だと思いますし、どんな形であれこの壁を乗り越えられたことはすごく大きかったなと思います。

塚越 私の心理士としての経験からですが、『悩んだ時に人に頼れない』『弱いところを見せられない』という人は多いです。その中で、藤田さんが、人に頼れたというのはどんな部分にありますか?

藤田 僕は信頼している友達に関しては結構なんでも話すので、そういう友達がいるということは、僕の強みなのかもしれないですね。

塚越 元々周りとの信頼関係があるからこそですかね。

藤田 性格的に、人と話すのが好きということもあると思うんですが、これまで積み上げてきたものが、支えになったなというところもありますね。

塚越 いろんな角度から藤田選手を強くしてパフォーマンスを出させているという感じがします。

藤田 色々な方の支えがあって僕があるなと今は思っているので、それは本当にたくさんの人に感謝したいですね。





塚越 藤田さんのお話を聞いているととても素直で外交的だし積極的です。そういったことでパフォーマンスや人間力につながっているようにも感じました。いつからそのような考え方はできていたのでしょうか?

藤田 多分意識をしているというよりは自然とという感じですかね。あとは言われたことはすぐやっちゃうタイプですね。『こうしたほうが良いよ』と言われたら、すぐ試してみたりとか。それで、『これは僕に合わないんだ』とか、『これやってみよう』とかという形で、自分に取り入れたりと、人に勧められたら一回は自分で試してみます。これは小さい時からです。

「モチベーション」新着記事

『CoCoKARAnext』編集スタッフ・ライターを募集

CoCoKARA next オンラインショッピング

PICK UP 【期間限定販売】浅倉カンナ ラストファイトメモリアル 拳トロフィー

浅倉カンナの左拳を本人から腕型を採取し、トロフィーとして完全再現させていただきました。 血管やしわの細部までに忠実に再現した、大変貴重なトロフィーとなります。

商品を見る CoCoKARAnext
オンラインショップ

おすすめコラム