「早期決着もあり得る」井上尚弥vsドネア戦で勝敗を分ける“3つのポイント”は?元世界チャンピオンの木村悠が世紀の一戦を占う!
ドネアとの再戦は「通過点」と語る井上。圧倒的な力を見せつけられるだろうか。(C)Getty Images
WBAスーパー&IBF世界バンタム級王者の井上尚弥が6月7日、WBC王者ノニト・ドネアとの3団体統一戦で再び拳を交える。世界が注目する“世紀の一戦”を、元世界チャンピオンはどう予想するのか。第35代WBC世界ライトフライ級王者の木村悠氏に勝敗を分ける“3つのポイント”を挙げてもらった。
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約2年7か月前の前回対戦から、両者とも力を増している印象だ。井上は3度の防衛戦で、ジェイソン・モロニー、マイケル・ダスマリナス、アラン・ディパエンを危なげなく下した。ドネアは、井上戦後に勢いを取り戻して2連勝。WBC世界バンタム級タイトルマッチでノルディーヌ・ウバーリに、さらに次の防衛戦ではレイマート・ガバリョに、いずれも4ラウンドKO勝ちを収めている。ドネアの状態は明らかに良く、前回の対戦時よりも警戒が必要だ。
とはいえ、一度手を合わせている井上としては、対策を立てやすい。前回対戦でまぶたを切られた左フックのようなパンチは、もうもらわないだろう。基本的に井上優位で試合は進むと見ていい。
これらを踏まえて、第1のポイントに挙げたいのは「心身のコンディション」だ。総合力では井上が圧倒しているが、気持ちやモチベーションではドネアにもプラス材料がある。やはり、迎え撃つ側よりも、リベンジする側の方がモチベーションを高く保てるもの。井上は4団体統一と階級上げという、さらなる高みに向かっているものの、この1試合に懸ける想いではドネアの方が気持ちを高めやすい。気持ちが結果に大きく影響するのがボクシングだ。井上とすれば、相手を乗せないように上手く自分の間合いに持ち込んで主導権を握りたい。