「油断は禁物!」侍ジャパン、強化試合快勝も不安な「国際試合のワナ」
(C)CoCoKARAnext
11月9日、札幌ドームで野球日本代表の強化試合、オーストラリア代表戦が行われた。栗山英樹監督率いる「侍ジャパン」の国際試合での初陣となったこのゲームでは、本塁打を放った村上宗隆をはじめとする打線が12安打8得点、投手でも先発の今永昇太ら3投手が19個の三振を奪うなど1失点に抑え、攻守で実力差を見せつける内容となった。
来年3月のWBCに向け、出場選手それぞれが持ち味を発揮し、好結果を得ることができたこの日のオーストラリア戦。だが快勝となったこのゲームを受け、自身の経験も交えながら国際試合の難しさを訴える球界OBの声も伝えられている。
【関連記事】新庄ハム 指揮官の「近藤決別発言」が波紋 背景にある「あきらめモード」とは
「日本は良いところばっかりさらけ出して、ちょっと嫌な感じも受けた」
そう語ったのは、大洋、日本ハムで現役生活を送り、指導者として日本代表チームのコーチも務めた高木豊氏だ。試合が行われた9日夜、YouTubeチャンネル『TAKAGI YUTAKA BASEBALL CHANNEL』を更新。「【侍ジャパン解説】絶対に油断するな!日本が19奪三振で大勝!ただ、オーストラリアがデータを取りにきている可能性が…今後の戦いで要注意になる3人の投手を発表!」の中で、高木氏がこの試合の印象についてコメントしている。
「オーストラリアは負けてもいいと思ってやっている気がする。逆に日本は一生懸命やるから、丸裸にされる可能性もある」
冒頭より日本の大勝を伝えながらも、この日の内容の印象をそう述べた高木氏。その理由として「俺らアテネでオーストラリアに2敗したんだよね。データ採られて」と、コーチとして参加した2004年のアテネオリンピックを振り返った。
アテネで金メダル候補筆頭との呼び声も高かった日本は、予選リーグでオーストラリアに初黒星を喫し、その後、再び対戦した準決勝でも打線が封じられ0-1で敗れ、金メダルへの望みが絶たれることとなった。日本を破ったオーストラリアは銀メダルを獲得している。
国際舞台での苦いエピソードを披露しながら、今回の結果にも言及する高木氏。計19奪三振を記録した日本の投手成績について「もう最高だね」と絶賛しながらも、あまりの三振の多さに「相手の攻撃パターンをみることができなかった。(オーストラリアは)わざと投げさせて、配球、球種などをみているんじゃないか」と見解を述べている。