羽生結弦特需に沸いたスポーツ朝刊6紙の「GIFT」レポートを徹底比較!
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プロスケーター・羽生結弦が制作総指揮を務めた、スケーター史上初の東京ドーム単独公演「GIFT」が空前の大成功に終わり、ファンの間では熱狂の余韻が消えません。
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スポーツ紙のデスクは言います。
「チケットは3万5000席が完売。2万円台が中心でしたが、瞬く間にソールドアウトになり、国内や台湾、韓国、香港では映画館でのライブビューイングが行われ、こちらも3万人が視聴したとのことです。スポーツ各紙はこの『2・26』に向けて特別態勢を敷き、ファンのニーズに応えられるように紙面制作しました。おかげさまで各紙とも『羽生特需』に沸き、即売も好調。『羽生は売れる』がさらに実証された形です」
それでは、朝刊スポーツ6紙が「2・26」をどう報じたのか。読み比べて、前述のデスクとともに検証していきましょう。
【日刊スポーツ】
スポーツ紙の雄は一面を羽生ではなく侍ジャパンの山本由伸投手で構成しました。一面の次に価値があるとされる最終面では、乃木坂46・秋元真夏の卒業コンサートの模様を詳報。羽生は六面のカラー一枚に収容し、コンパクトに掲載しています。
「WBC世界一への道のりをブレずにしっかりと報じるという意味では、日刊のジャーナリステックな誇りを感じます。乃木坂は日刊の売りなので、これも固定客を大切にする戦略でしょう。一方で羽生ファンからすると、ちょっと寂しいかもしれませんね」
【スポーツニッポン】
羽生ファンからの支持も強い新聞の一つですが、一面は将棋の藤井聡太王将が「須佐之男命」のコスプレに臨んだ写真をメインで掲載。最終面はWBCの「誠也辞退へ」という特報で、羽生は二、三面の見開き。三面はポスター紙面で、氷上に笑顔でたたずむ美しい写真が掲載されています。
「藤井さんが一面なのは、王将戦がスポニチの主催だから。コスプレの写真もスポニチ独占なので、自社の売りを最大化する戦略は納得できます。羽生さんの記事では文字数を最小限に抑え、ビジュアルで楽しんでもらおうという狙いが感じられますね」
【スポーツ報知】
巨人報道でおなじみですが、羽生報道についても熱心なことで知られています。この日は一面と最終面をつなぎ、その裏の二面と二十三面の計四枚で報道。業界的には「ラッピング」と呼ばれる構成で、一面には「抜き取り保存版」と記載するなど、ファンのニーズを捉えています。
「『報知は羽生で来る』と予想していましたが、やっぱりな、という大展開です。ベテランの担当記者はファン心理に寄り添う筆致がSNS上でも好評で、記事の行間からは使命感も感じられます」