防御率8点台でも「奥深さがある」 オリオールズ地元紙が説いた藤浪晋太郎のトレード成立の舞台裏
電撃的なトレードでオリオールズへ加わった藤浪。苦しみにながらも声価を高めてきた右腕への期待は高まる一方だ。(C)Getty Images
悲願のポストシーズン進出を後押しする戦力になり得るのか。現地7月19日にアスレティックスからオリオールズにトレードで加わった藤浪晋太郎への期待が高まっている。
4先発で4敗、防御率14.40、WHIP2.07と大苦戦していた開幕当初の状態もあり、今回のトレードは小さくない反響を呼んだ。もっとも、リリーフに回ってからの藤浪はメジャーの水に慣れた影響もあり、成績が徐々に向上していた。
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7月に入ってから8イニングでなんと与四球はゼロ。奪三振率11.25、被打率.154、WHIP(1イニングあたりに何人の出塁を許したかを表す指標)0.50と、支配的な投球を披露。トレード後にアスレティックスのマーク・コッツェイ監督が「良い方向に向かっている彼を失うのはほろ苦いね」(地元局『NBC Sports Bay Area』でのコメントより)と漏らしたように、チームに欠かせない存在になっていた。
夏場に入り、リリーフエース級の力を発揮し始めた藤浪。そんな29歳のトレードをオリオールズの地元メディアも好意的に捉えている。地元紙『The Baltimore Banner』は「オリオールズはフジナミから何を得られるか? 高い潜在能力があり、ローリスクな補強だ」と指摘した。
まず、同紙は現時点での防御率8.57というスタッツについて「一見すると、懸念を抱かずにはいられない。だがしかし、フジナミに関してはその印象は考慮するに値しない」と断言。リリーフに配置転換されてからのパフォーマンスを受け、「彼はこの夏の間に一回り成長した。シンプルなアプローチと投球の組み合わせなど、フジナミには奥深さがある」と絶賛した。