“前人未到”の領域に入った「打者・大谷翔平」 投げられなくとも不変の偉才を示すMLBで圧倒的な「183」の意味
打者としてもメジャートップクラスの位置にいる大谷。その凄まじさは何よりも数字が如実に示している。(C)Getty Images
大谷翔平(エンゼルス)は日本人選手としては「前人未到」の領域に入った。
現地8月27日、米野球専門サイト『Baseball Reference』の算出する打撃や走塁、守備、投球を総合的に評価して貢献度を表すセイバーメトリクスの指標「WAR」において、大谷のそれが10に達した。アメリカン・リーグにおいては、2位のマーカス・セミエンとは4.2の差をつけており、MVPはほぼ確実と言える状態となった。
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今季の大谷は開幕からすこぶる好調だった。周知の通り、今月23日に右肘側副靭帯の損傷が判明して投手としては今季絶望となったが、打者としては依然としてリーグトップクラスの好成績を維持。打率.307、44本塁打、92打点、19盗塁、OPS1.084などリーグにおいては驚異の8冠だ。
2021年が8.9(MLB1位)、昨年が9.6(同2位)と年々WARの数値を上昇させていた大谷だが、10は日本人選手初だ。ちなみにメジャーリーグの日本人選手のなかで、この二刀流スターを除いた場合に最高の数値はイチローが年間262安打を放った2004年の9.2である。
無論、投手としての活躍が見込めなくなったために、今後下降する可能性はゼロではない。しかしながら、今の大谷は打者としても図抜けている。やはり過小評価をすべきではない。何よりもその事実を物語るのが、「wRC+」という指標だ。