2年連続で「F1日本GP」中止決定の理由とは?

タグ: , 2021/8/23

 鈴鹿サーキット(三重県)は18日にF1日本GP(10月10日決勝予定)、19日にオートバイの鈴鹿8時間耐久ロードレース(11月7日決勝予定)を中止すると2日続けて大きな発表をした。新型コロナウイルス感染拡大の影響によるもので、いずれも2年連続での開催断念となる。8耐は当初、東京五輪前の7月18日決勝で日程が組まれたが、3月の時点で11月への延期を決め、コロナが収束の方向に進むことを願っていたという。

2019年の鈴鹿8耐のスタートシーン(ホンダ提供)

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 これで日本で中止となったモータースポーツの世界選手権は、2輪ではトライアル世界選手権日本GP、モトGPの日本GP、世界耐久選手権の鈴鹿8耐の3大会。4輪ではF1日本GP、世界耐久選手権富士6時間レースの2大会。11月には愛知、岐阜の両県を舞台に世界ラリー選手権(WRC)ラリージャパンが開催されるが、今のところ中止に関するアナウンスはない。

 F1については過密日程の影響も大きかった。前戦トルコGPの決勝は10月3日。F1は木曜日に記者会見などの公式スケジュールが入っており、その間はわずか3日しかない。日本では一部の要人などを除いて日本入国後は2週間の自主隔離が必要で、プロ野球でもいったん海外に出国して再入国した場合は14日間の待機期間が設けられている。

 海外から来訪するF1関係者は1000人以上。滞在期間は5日間程度ながら、防疫面の観点から一定の隔離期間がなく、大人数をそのまま入国させるのはさすがに厳しい。それに外部との厳重な遮断は、東京五輪期間中にガイドラインを破った関係者が続出した事情をみても状況は難しく、特例入国などの措置を得ることができなかったとみられている。

 鈴鹿側も周辺の一部ホテルを関係者専用にするなど、選手や運営関係者を隔離し、外部と接触させない大掛かりなバブル方式で臨むつもりだったが、9月から10月にかけてのコロナの情勢は五里霧中。F1関係者を大量に来日させることに伴う感染リスクを払拭(ふっしょく)することができなかった。





 その一方で鈴鹿8耐まで中止になったことには驚いた。サーキットを運営するモビリティランドは理由について「これまで開催に向けた準備を進めて参りましたが、国内チームと海外チームが混在しており、防疫のための活動単位(バブル)運用が困難であることや、現段階で海外関係者の日本入国が見込めない状況を受け、やむなく開催中止の決断をいたしました」とした。

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