2年連続で「F1日本GP」中止決定の理由とは?
2019年のF1日本GP(ホンダ提供)
確かに鈴鹿8耐は世界耐久選手権の最終戦として予定されており、海外チーム、海外選手も参戦するが、シリーズの前戦は9月に予定されているボルドール24時間(フランス)。関係者らを早めに来日させて一定期間の自主隔離をさせることは日程的に可能だったと思う。
エントリー台数は65。もともと海外チームよりも圧倒的に国内チームの方が多い。これはあくまで私見だが、開催を実現するために今年に限っては世界選手権から大会を外し、完全な国内レースとして開催することはできなかったか。
鈴鹿8耐の中止発表と同時に代替レースとして10月9日にチェコで8時間耐久レースが開催されることも決定された。世界耐久選手権にレギュラーエントリーする選手やチームは、そちらの大会に出場すればいいのだから、国内チーム向けの独自開催による鈴鹿8耐を今からでも検討してみてはいかがだろう。
多くの観客が来場してコロナの感染拡大の温床になる恐れがあるのなら、土曜までは無観客にして、決勝がある日曜だけは入場者数を極力制限して有観客で実施する。来場者には現地で無料の抗原検査を受けさせ、感染防止対策を徹底させる。鈴鹿側も開催を目指して、さまざまな対策を講じていたはずだし、実際に今月22日には4輪のスーパーGTが鈴鹿で開催されたのだから、やれないことはない。
中止の発表が相次いだことで、モータースポーツに嫌気が差すファンが出てくるのではないかと大変に危惧している。コロナの感染をこれ以上広げないことは最重要課題だが、日本政府がモータースポーツに対して冷たすぎるように感じるのは自分だけか。戦後、日本の経済が自動車産業に支えられてきたことをどうかお忘れなく。
[文/中日スポーツ・鶴田真也]
トーチュウF1エクスプレス(http://f1express.cnc.ne.jp/)
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