「全米オープンテニス」車いす部門が開幕!グランドスラム3連覇を狙う小田凱人、6年ぶり優勝を目指す上地結衣のインタビューが到着
頂点を狙う小田、上地は、全米でどんなプレーを見せてくれるだろうか(C)Getty Images
後半戦に突入した今年最後のグランドスラム「全米オープンテニス」。日本時間9月5日深夜に開幕する車いす部門に出場する小田凱人、上地結衣のインタビューが届いた。
世界ランキング1位で第1シードの17歳・小田は、男子シングルスで初の全米制覇と、全仏オープン、ウィンブルドンに続くグランドスラム3連覇の期待がかかる。女子シングルス第2シードの上地は6年ぶりの優勝を目指す。小田はコート7の第4試合、上地はコート11の第2試合に登場する。
【関連記事】「私たちは悪くない」加藤未唯組を失格に追い込み批判殺到のスペイン人選手が猛反論!「少女が怖がって泣いていた」
【小田凱人インタビュー】
――全米オープンにはどういうイメージを持っていますか。
昨年があまり良い結果ではありませんでした。2回戦で負けて、しかも普段勝っている相手でもあったので、その選手に負けた印象が強く、そのイメージが自分の中ではあります。大会全体としては、アメリカ特有のエンタテインメントなところはすごく感じますね。そういう場は僕も大好きですし、盛り上げたいという気持ちがあるので、そこはピッタリかなと思います。
――車いすテニスで目指しているところはどういったところなのでしょうか。
「車いすテニスならではの魅力」と「車いすテニスらしくない魅力」、僕は良い意味で「車いすっぽくないテニス」を目指していて、車いすでもボレーに出たり、ドロップショットを打ったり、サーブアンドボレーをしたりっていうのを目指していますし、一般のテニスに近いものを車いすで再現できるプレーヤーになりたいと思っています。そこは今回の全米のテーマでもありますし、常に意識しています。僕がもっと自由にいろんなことにチャレンジしていけば、いろいろなことが変わってくると思いますし、それが盛り上がりにつながってくると思います。
――小田選手のショットはしっかりと車いすのスピードがボールに乗っているイメージがあります。
そうですね。特にバックハンドの時は、車いすのスピードをつけていって、ラケットに当てるだけというイメージの時はあります。バックハンドは特にそういうふうに打っています。
――理想のショットが決まった時はどんな気持ちですか。
常にもっと良いショットを求める気持ちがあるので、そこまで(ショットの余韻に)浸ったりすることはあまりないですが、自分で試合を振り返った時に、このショットは良かったなっていうのは何本もありますし、リターンは特にイメージ通りに行くことが多いです。
――特にサービスゲームにおいては、左利きで、スピードも回転もあり、コースも絶妙ですね。何か意識されていますか。
特に意識はしていないですが、ただサッカーをやっていたので、フリーキックのようなイメージで打っています。やっぱり止まっている状態で打ちますし、コースが決まっていてゴールの角を狙って打つという意味では同じなので、サッカーを思い出しながら打ったりはしていますね 。自分のタイミングで打つということと、焦って流れで打たないこと、一度深呼吸して打つということは常に意識しています。
――クレー(全仏)、芝(ウィンブルドン)で優勝しました。ハードコートが一番得意だと思うのですが、この全米はどう捉えていますか。
車いすではクレーや芝よりもハードコートは動きやすいので、テニスもやりやすいですし、芝よりは絶対的に自信があります。グランドスラムを連覇している勢いもあるので、この流れでハードコートを戦えるのはチャンスだと考えています。
――世界一になって、タイトルを守らなくてはいけないというプレッシャーはありますか。
昨年ぐらいから徐々に勝ち出して、今年世界一になったので、感覚的にはまだ始まったばかりです。すごいワクワクといった感じしかなく、そこまで重いものを背負っている実感はないです。プレッシャーがかかった場面でも、まだ17歳だし始めたばかりのプロ2年目で、まだまだここからという時期なので、そういうことを考えるのはまだ先かなと思っています。
――車いすテニスでどんなものをつかみたい、伝えたい、と思っていますか。
選手としては結果を求められることが多いでし、それがなければ選手としての価値も下がってしまうと思いますけど、ただそれが全てではなくて、まだメジャースポーツの域まではいっていないので、「車いすテニスを見に来る」という人を増やしていきたいです。
――小田選手のテーマでもある「魅せるテニス」を全米の舞台でどう表現しますか。
自分が見ていて面白いと思うテニスをすることが一番だと思うし、それが他の人にも面白いと伝わると思います。ただ勝つだけではなく、車いすテニスの魅力や価値を高めていきたいと常に思っています。