元3階級王者の八重樫東は、井上尚弥のドネア撃破をどう見た?「陣営が思っている以上の内容」「嗅覚を持っている」

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ドネアを下して3団体統一を果たした井上。来年にはスーパーバンタムに階級を上げるという。(C)CoCoKARAnext

 6月7日に行われたボクシング世界バンタム級3団体統一戦で、WBAスーパー&IBF世界同級王者の井上尚弥(大橋)が、WBC同級王者ノニト・ドネア(フィリピン)に衝撃の2ラウンドTKO勝ちを収めた。わずか264秒での決着に「すごいなと思いました(笑)」と驚きを隠せなかったのが、元世界3階級制覇王者の八重樫東氏だ。

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 ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)の決勝以来、2年7か月ぶりとなる再戦で、井上は圧倒的な力を見せた。第1ラウンド終盤に右クロスでダウンを奪うと、第2ラウンドに猛ラッシュを敢行。ドネアの隙を見逃さずに一気に畳みかけ、最後は左フックで39歳のベテランをマットに沈めた。フィジカルトレーナーとして井上を支える大橋ジムの“先輩”は、この圧勝劇を一歩引いた視点で見ていたという。

「それこそ陣営が思っている以上の内容だったと思います。早い段階のKO決着ではなく、もう少し技術戦になるかと思っていましたが、井上は右のカウンターが当たって勝負に出た。彼は嗅覚を持っている選手。あそこで倒しきれない選手もいますが、井上は勝負をかけられる度胸と力がある。そこは超一流ですね」

 早期決着に持ち込んだ判断を称えた八重樫氏は、同時に井上がこの大一番で発揮した集中力についても「ファーストコンタクトからの雰囲気を読み切ってパンチを当てきる作業はいつもしますが、それをいつも以上のパフォーマンスで発揮していました」と感心し、さらに次のように続けた。

「お互いにきっちり準備をしてきて、良いコンディションの時にああいう結果になるのは、それだけの力の差があったんだと思います。あくまでも勝負なので、時の運もありますが、それを引き寄せるべくして引き寄せるのが井上です」

 この勝利でデビューから23戦無敗20KO、日本人初の3団体統一王者となった井上。あくまでも「僕はフィジカルを見ているだけ」だと語る同氏は、そんな“モンスター”の今後について、いちボクシングファンとして期待を寄せているようだ。

「どういう判断をするかわかりませんが、ボクシングファンとして言えば、4団体統一は見てみたい。傍らにいて、いろんな景色を見せてもらいたいですね」





[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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