日本球界に及ぼす影響は大 歴史が予感させるセ・リーグへのDH制導入の陰
日本球界にどのような影響をもたらすのだろうか。労使が決裂しロックアウトが続くメジャーリーグで、新労使協定締結へ向けて今季からアメリカン・リーグとナショナル・リーグの両リーグにおいてDH制が採用されることが合意に達した。
従来はア・リーグにおいてDH制が採用され、ナ・リーグは投手が打席に立ち続けてきた。2020年シーズンは新型コロナウイルスの感染拡大に伴う選手の負担軽減のため、両リーグにおいてDH制を採用する通称「ユニバーサルDH」を導入。だが、コロナ禍が残る昨季2021年シーズンは従来通りにナ・リーグではDH制は採用されていなかった。
メジャーリーグでは投手が打撃や走塁で故障することがままあり、現役選手たちの多くからはユニバーサルDHの導入を求める声が上がっていた。一方で、投打二刀流の大谷翔平は別格として、打撃が得意な投手もメジャーリーグには何人かいる。日本時代から打撃に定評があり、ドジャース時代のメジャーデビュー戦でもホームランを放っているツインズ・前田健太は「もうMLBでホームランが打てなくなってしまった」とツイートして嘆いた。
海の向こうの出来事として物見遊山ではいられない。メジャーリーグにおけるこうしたルール変更は、数年後には日本プロ野球でも採用されてきた過去があるからだ。
申告敬遠、リプレー検証、本塁や併殺崩しの二塁上での接触を規制するコリジョンルールなど。メジャーリーグでの運用を1シーズン見て、たいていは1年後の翌シーズンには輸入するのが通例だ。
実際に日本でも1年前、巨人が中心となってセ・リーグにおけるDH制導入を声高に求めた。