【甲子園】東北勢は決勝12戦全敗…「弱小」「劣等感」乗り越え変わる勢力図
悲願達成へ、東北勢は一丸となっている。仙台育英の須江航監督は「東北の高校野球は『チーム東北』で歴史を変えよう、弱いレッテルをくつがえそう、と協力している」と話す。隣県の指導者同士で情報共有し、強化試合を組む。雪国のハンディは練習環境の工夫と施設の充実などで乗り越え、戦力的にも有望選手が関東や関西から集まり、全国の強豪校とも互角に渡り合うチームが増えた。
2018年夏に公立農業高校の金足農(秋田)が準優勝して旋風を起こしたように、私立校だけでなく、東北全体のレベルが底上げされている。また、大谷翔平、佐々木朗希といった怪物選手を次々と輩出しているのも東北の地。全国常連となった盛岡大付(岩手)関口清治監督は「甲子園抽選会のときに『東北勢とは当たりたくない』と言われるようになった」とこれまでとの違いを実感している。
上位進出が見慣れた光景となり、もはや東北を弱小地区と思う人のほうが少ないかもしれない。そんな東北勢に立ちはだかる最難関のハードルが「日本一の壁」。決勝戦12連敗の「呪い」から解き放たれたとき、本当の意味で東北が一本立ちできる。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
【関連記事】まさかの逆転負け 大阪桐蔭も飲まれた「甲子園の魔物」の正体とは
【関連記事】甲子園のスターに高すぎた「プロの壁」、活躍を見たかった高卒ドラフト1位の男たち
【関連記事】「浅野の弱点があるとすれば・・・」 野村克也氏の「懐刀」といわれた松井優典氏が夏の高校野球注目選手を総点検!