五輪名物「メダル噛み」ポーズのルーツとは
名古屋市の河村たかし市長(72)が、表敬訪問したソフトボール日本代表・後藤希友選手(20)の金メダルを噛(か)んだ問題が波紋を呼んでいる。
近年の五輪では、表彰式でメダルを噛んだり、噛むような仕草が多く見られ、定番となっていた。軽い気持ちで盛り上げようとマネしたパフォーマンスが大変な騒動になってしまった、というところだろうか。
そもそもメダルを噛む行為はいつから始まったのか。
諸説あるが、五輪では1988年ソウル大会の競泳男子200メートル自由形で金メダルを獲得したオーストラリアのアームストロング選手が最初といわれている。表彰式でメダルをガリガリとかじり「金メダルが本当の金でできているか確かめたかった」という話もあるが、定かではない。
日本人選手では1996年アトランタ五輪柔道男子の中村兼三選手から始まったという。現場のカメラマンから、金メダルを噛んでほしいというリクエストにこたえたのがきっかけだった。カメラマンからすれば、本来首にかけるメダルを顔の近くに持ってきて、アップの表情を撮影できるメリットがあった。「勝利をかみしめる」意味もあるため、応じる選手も増えていった。2000年シドニー五輪女子マラソンの高橋尚子選手が「Qちゃんスマイル」で金メダルを噛んだことで認知度も広まり、撮影ポーズの1つとして流行していった。
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