ドジャースの“金満補強”は正しくないのか 米記者はMLBの戦力格差に嘆き「こんな状況で公平な競争ができるわけがない」
サラリーキャップも「すべてが機能しているわけじゃない」
この“不満”を解消するために、かねてから議論されているのが、サラリーキャップ制の導入である。
すでにMLSやNBAなどで導入されている同制度は、特定の選手を除いた全選手の年俸総額の上限が定めるというもの仕組みだ。このプランはMLBでもオーナー側はしきりに導入を訴えてきたが、選手会側が「年俸の上昇を抑える仕組み」として反発。1994年には大規模なストライキに発展するなど、両者の対立の原因ともなってきた。
現行の労使協定は2026年12月2日に失効するため、オーナーと選手会側で、サラリーキャップ制度の導入は議題上がるはずだが、ふたたびストライキを突入する可能性から導入に向けた話し合いが進むかは不透明だ。
この新制度の導入が抱える課題には、米ベテラン記者も疑問の声を上げている。『ESPN』のジェフ・パッサン記者は「ドジャースがやっていることは協定の範囲内だ」と前置きした上で、「だからこそ誰も文句は言えないんだ」と論じた。
「問題を強いてあげるとすれば、投資を後払いだけでなく、契約時のボーナスにも組み込んでいること。こうした他球団との格差は何十年も前からメジャーリーグの根本的な問題だ。そもそもサラリーキャップが問題を解決させるかは不透明なままだ。他のスポーツでは導入されているが、すべてが機能しているわけじゃない。中には競争均衡が取れていないリーグすらある」
さらに「チームだけじゃなく、ファンにとってもダメージになりえる」と切り込んだパッサン記者は、「野球の未来はこの格差をどう解決するかにかかっている」と断言。サラリーキャップ制の導入に関する議論が、格差問題解決の争点になるとした。
ワールドシリーズ連覇を達成した球団は1998年から3連覇をやってのけたヤンキース以来、誕生していない。それだけに今年にドジャースがそれを成し遂げれば、彼らに対する“逆風”はより強まり、サラリーキャップ制導入の議論も本格化していきそうな気配だ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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