【現役引退】ソフト史上最高の打者・山田恵里を鉄平が直撃!「打てなかった時はどうするの?」巧打者のスランプ脱出法とは【独占取材/その1】
ーー良い時のイメージがあるだけに難しいところですね。不振の時の修正で特に意識するポイントはありますか?
山田 良い時のイメージに戻して成功につながれば「あり」だと思いますが、なかなか元に戻らなかったら、私は違うことをしていました。
鉄平 僕は4、5年もがいてましたね。スイングする度に「なんか違うな」と。力の流れがナチュラルじゃないんです。山田さんのように重心の位置を変えるくらいの大きなことはやっていませんでした。というか、できなかったですね。そこも僕の後悔の一つじゃないですけど、もうちょっと思い切ってやれば良かったなと思います。
ーースランプに陥った時には、具体的にどうやって対処するのでしょう?
山田 2016年に思いっきり変えたんですけど、速いピッチャーに対してその打ち方だと打てなかったので、前の打ち方を合わせた打ち方にしたら、速いボールも打てるようになりました。今もそれを継続してやっています。毎日スイングしてますし、バッティングも毎日ではないけどしているので、自分のどこかがおかしい時はすぐに分かるんです。だから、そこまで大きくスランプに陥らなくなったと思います。修正はすぐにできている感じです。
鉄平 毎日のルーティンがあるから違いに気付いて修正できるというのは、すごく分かりますね。僕もルーティンを大事にしていたし、そういう能力がないと長い間は戦えないですよね。
ーー鉄平さんのルーティンのこだわりは?
鉄平 たくさんありましたよ。少しでもズレたりすると嫌だと思うこともあったし、体の作り方の部分からもほぼ決まってるんで、時間割がズレると気持ち悪い部分もありました。山田さんも、そういうのはあります?
山田 あります。ありすぎて、変な人扱いされます(笑)。きっちりしないと嫌なんですよね。
鉄平 めちゃくちゃ分かります。プロ野球も変なやつばっかりでした(笑)。ただ、そのくらいこだわってやらないと、自分を保てないところはありましたね。
ーールーティンはどんなものがありました?
鉄平 球場の行き方からですね。色々あるんですが、バッティングのルーティンだとゴルフスイングみたいなものから始めて、体をちょっと慣らしていくんですよ。そこからすごいアッパースイングで振った後に、すごい上から振ったり、極端なスイングを必ず最初に入れるようにしていました。それで徐々に練習に入っていって、ティーバッティングではツイストと言われる練習方法を必ず取り入れて、その日の自分をチェックしていました。その後にハンマーでティーバッティング。ハンマーは体を使って振らないと凄く重いので、しっかり体を使ってボールに当てる感覚を思い出させていました。
ーー山田選手は、野球の練習から取り入れたものはありますか?
山田 私は短いバットで床につくくらいの低めのボールを打っていました。だから、今流行っているシークエンスバットが気になってます。あれって、みんな使ってるんですか?
鉄平 みんなではないかもしれないですね。
山田 そうなんですね。でも、肘を抜くのってすごく大事じゃないですか。昔は脇を締めるって教えられてましたけど、今は抜いて打ちますよね。
鉄平 脇を開けないとバットが出てこないですもんね。
【その2】に続く(10月3日に公開)
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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