なぜ?F1イギリスGP最終周で2位フェルスタッペンが逆転優勝狙いにいかなかった「理由」とは
パンクした左前輪を見つめるメルセデスのルイス・ハミルトン(メルセデス提供)
ハミルトンのタイヤがパンクした原因はコース上の破片を踏んだからではないかと指摘されている。終盤ではアルファロメオのキミ・ライコネンがフロントウイングを壊し、破片がコースに散乱。その後に、2番手を走行していたメルセデスのバルテリ・ボッタス、4番手にいたマクラーレンのカルロス・サインツのタイヤも相次いでパンクした。こちらも破片を踏んだとみられる。
いずれのタイヤも1回のピットストップから30周以上も走り続けており、摩耗はかなり進んでいたはず。ゴムの表面がもろくなっていたのであれば、微小な破片を拾ってもタイヤが壊れる恐れは十分にある。全チームにタイヤを供給するピレリのマリオ・イソラ責任者は「最後の数周に起きたことは調査する」と約束した。
昨季のレッドブルであれば、パンクする覚悟を承知でコースにとどまり、ハミルトンを追いかけていたかもしれない。が、今季はチャンピオンチームのメルセデスと互角の走りをしており、名門フェラーリを歯牙にもかけていない。シーズンを通したチャンピオン争いを考慮すると安全策も講じたくなる。
2位を取れたはずのボッタスがパンクで入賞圏外の11位に終わったことで今回獲得した得点はメルセデスが25ポイントに対し、レッドブルが23ポイント。終盤に相次いだパンクが起きなかったとしたら、メルセデスが43ポイントに対し、レッドブルが16ポイントとなっており、大量リードをつけられずに済んだ。
フェルスタッペンも「2位は勝ったようなもの」と表現した。通年を見据えた長期的な視野に立てば、その言葉にも合点がいく。
[文・写真/中日スポーツ・鶴田真也]
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